6月24日に開催される世界最高峰のヒルクライムレース、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムにチャレンジするフォルクスワーゲンのEVマシンがついに公開された。680ps、650Nmで目指すはもちろん世界記録だ。
フォルクスワーゲンは、6月24日にアメリカのコロラドスプリングス・パイクスピーク山で開催されるヒルクライムレース「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」にチャレンジするEVスーパースポーツ「I.D. R Pikes Peak」をフランス・アレスで公開した。
LMP1マシンのようなスタイルを持つこのクルマは、フロントとリヤにふたつのモーターを搭載。トータルのパワーは500kW(680ps)、トルクは650Nmを発揮し、車両重量は1100kg以下とされている。0-100km/h加速はF1やフォーミュラEを上回る2.25秒をマーク。現在、パイクスピークでのEVクラスの記録は8分57秒118だが、I.D.R Pikes Peakはこのレコードを破ることが目標となる。
バッテリーは当然リチウムイオンだが、必要な電気エネルギーの20%は走行中の回生により得ることができ、その分バッテリー搭載量を減らすことが可能となった。フォルクスワーゲンは次世代のEVコンセプトカーとしてI.D.シリーズを発表しているが、このI.D. R Pikes PeakはそのI.D.シリーズのイメージリーダーとしての役割も担うことになるだろう。フォルクスワーゲンとしては「負けられない戦い」ということになる。
レースでドライバーを務めるのはル・マン24時間レースで2回、パイクスピークでも3回の優勝を誇るロマン・デュマ。レースが開催されるパイクスピークの道は通常は一般の登山道なので、開発テストはほぼサーキットで行われている。スタート地点は標高2862m、ゴール地点は標高4302mで、標高差は何と1440m。途中のコーナーは156もあり、道は全て舗装路だ。果たしてフォルクスワーゲンのEVスポーツカーはコースレコードを打ち立てることができるのか、注目したい。