昨年の秋に東北自動車道の110km/h制限試行区間(花巻南IC-盛岡南IC)に新設された新L型オービス。この区間内は上りのみに2機、設置ということになったが、その新設ポイントはなんと、手前の既設オービス(レーダー式)のわずか18km先! 先日、九州道に新設された新L型も、手前のHシステムの15km先だし、長野道のLHにいたっては既設Hシステムの50m先と、もはやカオス状態。一体なんで? というわけで、さっそく現地調査してみた!
従来、既設のオービスが新型に代わる時は、ほぼそのままの位置での機種変更が普通だった。が、長野道(H→LH)、九州道(H→新L)、そして今回の東北道(R→新L)と、長野道以外は大幅な位置変更が行われ、さらに、既設のオービスもまだ未撤去と、従来とはちょっと違った状況となっている。
これは、たぶん、昨年、明らかにされた警察のオービスによる速度取り締まりの全面的な見直しによるものだろう。その見直しの骨子をもう1度、おさらいしてみよう。
☆更新整備⇒耐用年数、老朽化の程度を踏まえ、必要性を個別に判断
☆新規整備⇒設置基準を満たすものの内、速度抑制の必要性が高い路線に限定
※整備の必要性を勘案し、更新整備と新規整備のいずれを優先させるか個別に判断
☆新たな速度違反自動取締装置⇒生活道路対策や通学路対策に資する取締のため、各都道府県警察に導入
つまり、今までのように「古くなったから、そのまま新しいのと取り替える」のではなく「老朽化(Hは老朽化ではないが製造メーカーの撤退により徐々にメンテナンスが困難になっているという事情による)を機に、もう1度、必要性を見直し、場合によっては最も取締効果や効率のいい場所に設置位置を変える。撤去の必要性が高いものは、その撤去時期等を個別に考える」ということだ。東北道の新Lも、たぶん、試行区間に入ってすぐの位置よりも、現在の位置の方が速度抑制の必要性が高いと判断されたのだろう。
となれば、これらの警察の所業も納得できるというもの。今後も、この方針に従い、老朽化や取締効率の悪いオービスは撤去され、新規の設置も、今まで以上に慎重にその位置が決められるということになるはず。オービスによる取り締まりの是非はともかく、国民の税金を使った高い買い物だけに、罰金目的の取り締まりではなく、本来の目的である悪質な違反や交通事故を未然に防ぐためであれば、我々ドライバーも納得できるのでは?