
MotoGPのテクノロジーが注がれたGSX -R1000。その血脈を受け継いだ「GSX-R125 ABS」が2017年1月に発売された。水冷DOHC 124ccのエンジンは、GSX-Rシリーズの解析技術を用いることで、燃焼室の最適化や吸気効率の向上、燃料噴射の最適化。最高出力は15psを誇る。(REPORT:近田 茂 PHOTO:山田俊輔)
■製造事業者:スズキ・インドモービル・モーター社 ■製造国:インドネシア ■輸入事業者:スズキ株式会社
スズキ・GSX-R125 ABS(386,640円)
スズキのフラッグシップモデルは何といってもGSX-R1000 。その価格は隼をも凌ぐオーバー200 万円也。そのシリーズ末弟モデルに試乗した。GSX-R125がそれだ。実はこのバイク、既にレポート済みのGSX-S125に、単純にフルカウルを取り付けたモデルかと思いきや、さすが「R」の名を関したマシンである。仕上がりはまったく別物で、跨がった瞬間からその尖ったキャラクターには新鮮な驚きを覚えた。
小気味良い加速の小さな巨人 スズキ「GSX-S125 ABS」試乗レポ
シートに跨がると、ライディングポジションがスマートに決まる。記者はふとかつて乗っていた125 ㏄のレーシングマシンを思い出してしまった。その流れでタンクに胸をつけて前屈姿勢を取ってみた。スリムなタンクをピタリとニーグリップし、スクリーン越しに前方を睨む。ステアリングのトップブリッジ下側にクリップオンされたセパレートハンドルを握り、両肘を内側に沿わせているとサーキットのストレートで少しでも立ち上がり加速と速度の乗りを追求するシーンが蘇ってきたのである。
諸元からわかる通り車幅は700mm 。GSX-S125より45mmも狭く、ハンドル位置も低い。フルカウル装備もあって、当然ハンドルの切れ角は40度から35度へ小さくなり、最小回転半径はGSX-S125の2.3mに対してGSX-R125は2.6m。それでも軽く自在に操れる乗り味が奏功して、U ターンなど市街地での取り回しもそれほど難はない。

タコメーターのレッドゾーンは1万1500rpmからだが、エンジンは実に気持ちの良い伸びを示しデジタル液晶表示の回転計はスムーズに1万2000rpmへと伸びていく。2000rpmまでの極低回転域でこそ若干のトルク不足が感じられるものの、それ以外はどの回転域でも素直なスロットルレスポンスを発揮。各ギヤで思い切り引っ張りながら、速度とエンジンの伸び感をたっぷりと楽しめるのである。
車体の扱いは軽快だが、前述のポジションも相まって落ち着いてコントロールできる。タイヤの感触が硬めながら転がりが良いし、コーナリングでは切り舵気味でバランス良く旋回できる。コーナーを攻め込んでも安心感の高い乗り味は好印象だった。
GSX-R125とGSX-S125、2台乗った私の印象としては、日常の足として使うならGSX-S125が向いているのは間違いない。しかし、頭の隅に少しでもモータースポーツへの憧れがある人なら、GSX-R125に乗ってその雰囲気を楽しんでみることをお勧めしたい。もっと本音を言えばGSX -R125の楽しさを経験してバイクへの造詣をより深めてくれる人が増えるといいね。
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■主要諸元■
全長/全幅/全高:2,000mm /700mm /1,070mm
軸間距離/最低地上高:1,300mm/160mm
シート高:785mm
装備重量:134kg
最小回転半径:2.6m
エンジン型式:水冷4サイクル単気筒DOHC4バルブ
総排気量:124cc
内径×行程/圧縮比:62.0mm×41.2mm/11.0
最高出力:11kW(15ps)/10,000rpm
最大トルク:11N・m(1.1kgf・m)/8,000rpm
燃料供給装置形式:フューエルインジェクションシステム
始動方式:セルフ式
点火方式:フルトランジスタ式
潤滑方式/潤滑油容量:ウェットサンプ式/1.5L
燃料タンク容量:11L
クラッチ形式:湿式多板コイルスプリング
変速機形式常時噛合式6段リターン
減速比(1次/2次):3.285/3.214
フレーム形式:ダイヤモンド
キャスター/トレール:25°30'/93.3mm
ブレーキ形式(前/後):油圧式シングルディスク(ABS)/油圧式シングルディスク(ABS)
タイヤサイズ(前/後):90/80-17M/C 46S/130/70-17M/C 62S
舵取り角:左右35°
乗車定員:2名
価格:386,640円