中部電力とトヨタ自動車は、電動車の駆動用電池をリユースした大容量蓄電池システムの構築、および使用済み電池のリサイクルについて実証を開始することとし、31日、基本合意書を締結した。
中部電力は、再生可能エネルギーの大量導入に対して需給バランスの変動に的確に対応するとともに、電力系統の更なる合理的運用に向けた取り組みを推進している。一方、トヨタは、2017年12月に「電動車普及に向けたチャレンジ」を公表するなど、電動車の積極的な普及を進めるとともに、電池の有効活用など、電動車の普及を支える社会基盤の整備にも取り組んでいる。
今回の基本合意は、トヨタの電動車から回収した電池を、中部電力が蓄電池システムとしてリユースし、電力系統における様々な課題に応じて活用していくことを目指すもの。単体として性能が低下した電池であっても、多数の電池を組み合わせることにより、再生可能エネルギー導入の拡大に伴う需給調整への活用や、周波数変動および配電系統の電圧変動への対応などが可能になると考えている。また、こうした電力系統の課題解決に加え、火力発電所の合理的な運用も期待できる。