日本自動車輸入組合(JAIA)は1月30日、ペーター・クロンシュナーブル理事長の定例記者会見を開催。同組合の近況と今後の活動方針を示した。
そして、外国メーカー乗用車については、「2017年1年間の販売台数は対前年比3.7%増の306,088台となり、2年連続で前年を、また21年ぶりに30万台を上回った。年間販売台数としても、324,973台を記録した1996年に次ぐ過去2番目の高水準」となったことを強調した。
その要因として「JAIA会員各社がクリーンディーゼル、PHEV、コネクテッドカーの積極投入したこと」を挙げ、EVは対前年比175.6%増 PHEVは同11.7%増、クリーンディーゼル車は同31.4%増となり、次世代自動車が輸入車の2割超を占めたことを明らかにしている。
だが、「国内販売全体に占める輸入車のシェアは7.0%、前年は7.1%と、相対的には依然として小さい」との見解を示し、「2018年は会員各社が新型車のさらなる導入拡大を計画しているため、より一層成長するものと期待している」と述べた。
2018年の活動計画については、特に税制改正に関し、「2019年10月の消費増税時に自動車諸税の負担軽減が実現しなければ、駆け込み需要と反動減が繰り返されるだけで、市場の発展は見果てぬ夢になる。当会としては今後も自工会、自販連と連携して負担軽減・簡素化を求めていく」と強調。
具体的には、「第一は自動車税の抜本的引き下げを求める。軽自動車より2割以上高く極めて不公平なため、軽と同程度への引き下げを要望する。第二は、課税根拠を失っている自動車重量税の廃止または暫定税率の廃止を求める」との方針を示している。
技術・環境分野については、「11月に国際連合のWP29(自動車基準調和世界フォーラム)でIWVTA(国際的車両認証制度)に関する手続等を定めた国際規則(国連規則第0号、UNR0)が成立したが、今後は乗用車だけではなく重量車の国際調和も、特に排ガス基準について強く求めていく」とコメント。
「昨年、政府によってPHP(輸入自動車特別取扱制度)の手続が簡素化され、燃費測定方法の国際調和としてWLTPモードが導入されたが、これを歓迎する。こうした国際調和によって、日本導入モデルの拡大と最新モデルの早期導入を促進し、これらを通じて日本のモビリティ社会の発展に貢献していく」と、今後の意気込みを述べている。
記者会見における主な一問一答は下記の通り。
Q:クリーンディーゼルが増えている背景と今後の見通しは?
A:各社が様々なディーゼル車の日本導入を進めているが、ディーゼルの技術にはまだ成長のポテンシャルがある。今後もしばらくは販売台数は増え、その後横ばいになるだろう。
Q:2018年の輸入車販売の見通しは?
A:昨年の実績は過去最高ではなく、今後も着実な成長が見込める。今年は2017年を超えるだろう。
Q:今年は3年連続の前年越えを期待するということだが、シェア増加についての見解は?
A:世界各国では輸入車シェア10%が最低水準。10%がゴールであることは明確だ。
Q:自動運転のルール整備については、日本政府から素案が出され本格化し、5月に大綱が出る見込みだが、JAIAはどのように参画するか。
A:自動運転の実現にはすべての安全規制を網羅する必要がある。JAMAや関連省庁と話し合っているが、基準の国際調和が必要で、日本の基準が他の国と異なることは避けなければならないと考えている。
(小林理事)自動運転についても世界のメーカーが一日も早い実現に向け取り組んでいる。国際調和の基準確立は不可欠と考えている。
Q:輸入小型二輪車の販売は3.1%減少したが、日本市場全体ではプラスとなった理由は。また、今年の見通しは。
A:昨年の販売が減少したのはライフサイクルの影響だろう。その一方、普通自動二輪免許で乗れる新型車を発売したメーカーは堅調で、2018年はその伸びを取り入れられるため、成長ポテンシャルはあるものと思われる。