株式会社ジゴワッツは、ブロックチェーンに接続可能な多機能型EV(電気自動車)用普通充電器を発売する。本製品では、充電課金による売上の一部を暗号通貨で設置場所の提供者に還元したり、ブロックチェーン技術により設置者独自の認証課金基盤を構築したりすることが可能。また、Bluetoothで接続する認証用スマートフォンアプリにより、充電用ICカードがなくても、アプリのダウンロードと簡単な会員登録手続きのみで即日充電器の利用が可能になる。
設置に必要なスペースは世界最小クラスを実現し、自宅や勤務先など、 日々の「くらし」のシーンに普通充電器を広く設置することで、EV利用における課題のひとつである充電の手間を解消する。12日よりウェブサイトにて注文受付を開始し、2018年9月より順次出荷を開始する。希望小売価格は12万1千円(税別)で、自動車通勤をする社員の多い企業や宿泊施設、ゴルフ場など、ドライバーが長時間滞在する場所を中心に、初年度1,000台、 2025年までに10,000台の設置を目指している。
【発売の背景】
自動車メーカーや自治体を中心に急速充電設備の設置が進められており、随分安心して出かけられるようになってきた。また、航続距離500kmを誇るEVも発売され、航続距離に関する不安や不満は解決されつつある。
一方で、急速充電は1回30分程度の時間を要し、また一カ所に多数を設置できないため、充電待ちが発生してしまう。この状況ではEVは従来の内燃機関車を超えるドライバー体験を提供できない。
EVが内燃機関車より便利であるためには、車を利用していない駐車中に充電がされるべきであり、そのために目的地に多数の普通充電器が整備されるべきだと考えた。
そこでジゴワッツは、取り付け場所を選ばない最小限の筐体に、予め準備の要らない認証システムを組み込んだ充電器を開発。そして、充電に必要な電力と駐車スペースを提供できるオーナーを増やすために、それぞれの充電器がEthereumなどのスマートコントラクトを実行可能なブロックチェーンに接続し、ドライバーが支払った充電代金を低コストで還元できるようにした。もちろん、自宅や職場に設置しプライベートで利用する場合は、認証や課金を省略することもできる。