トヨタはハイエース(バン・ワゴン・コミューター)、レジアスエース(バン)をマイナーチェンジし、12月1日から販売される。今回のモデルチェンジの目玉となる衝突回避支援パッケージ“Toyota Safety Sense P。上級グレードのみならず、商用に用いられるバンにも標準搭載されており、トヨタの安全性に対する真摯な姿勢が感じ取れる。(REPORT:近田 茂)
第5世代・通称200系が一部改良
ワンボックスバン/ワゴンでは最強のブランドとして知られているハイエース。国内はもちろん海外市場でもその人気の高さはゆるぎ無い。現行車は04年にデビューした第5世代モデル。国内外で年間約20万台のセールスを続けていると言う。今年は初代登場から50周年という記念すべき年。それを機にマイナーチェンジが実施されて商品力をアップ、時代に相応しい進化を果たし11月22日に発表された。ハイエースはトヨペット/トヨタ店、ネッツ店のレジアスエースと共に12月1日から新発売される。
今回の目玉は安全性能の向上
最も大きな変更点は、衝突回避支援パッケージのToyota Safety Sense P をほぼ全機種に標準装備された事。ミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせたセンサーを採用し、前方車両はもちろん歩行者も認識し衝突回避や被害軽減を担う。車線逸脱警報やオートマチックハイビームも組み合わせた最新鋭の安全技術が投入された。
同車は社用(営業)車としてのニーズが多く必然的にその稼働率は高い。それだけに、ドライバーのミスを防ぐ先進の安全運転支援システム導入は事故抑止への貢献度も大きなものが期待できるわけだ。上級グレードだけではなく、ベーシックな廉価グレードにも標準装備としたトヨタの英断はさすがである。
ディーゼルはより低燃費に!
搭載エンジンは2Lと2.7Lのガソリン。そしてディーゼルは従来の3L+4AT に変えて、新たに6AT をマッチした2.8Lクリーンディーゼル1GD-FTV を搭載。電子制御のコモンレール式筒内直接噴射でレスポンスの良いソレノイド式インジェクターを持つ。専用開発された小型高効率のターボを採用。後処理にはDPR と尿素SCR システムで排ガスを浄化する。
ちなみにボア・ストロークは92×103.6 mmというロングストロークタイプの2754㏄。最高出力は3Lの1KD より5kW 向上した111kW(151ps)/3600 rpmを発揮。最大トルクは同じ300Nm(30.6㎏・ m)ながら、発生回転数は1KD の1200~3200rpmから、1000~3400rpmへとよりワイドレンジで高トルクを発揮するタイプに進化。6AT の採用も相まって従来モデルよりも1 ~1.6 ㎞/Lもの燃費向上も果たし、2WD ロングバンのJC08モード燃費は13㎞/L。平成27年度燃費基準+15% を達成。平成21年度基準排出ガス10% 低減レベル認定も取得しエコカー減税措置の対象(仕様によって異なる) にもなっている。
その他車両の安定性を確保するVSC やTRC 。坂道発進を容易にするヒルスタートアシストコントロールや盗難防止のオートアラームも全車に標準装備。オプションながら新規設定色の用意や、内外装をダークカラーで統一した特別仕様車の設定も新しい。
価格は最廉価でバンDX標準ルーフの2Lが240 万5160円。最上級ワゴンのグランドキャビンは391 万680 円だ。