ホンダ・グロムとカワサキZ125が人気を二分する4スト125ccミッションカテゴリーに、スズキのニューモデルが加わった。10月11日に発売されたばかりの「GSX-S125 ABS」。その実力が今明らかになる。(REPORT:近田 茂 PHOTO:山田俊輔)
軽量ボディと小気味良い加速の125ccカテゴリー
今、ピンクナンバーが熱い。ゼロハン(50ccクラス)と軽二輪(126cc~250ccクラス)の中間に位置する、いわゆる原付二種と呼ばれるこのクラス。正確に言うと50㏄オーバーから90㏄までの黄色ナンバーとそれ以上125 ㏄までのピンクナンバーがある。
市街地を走るならまるで不足の無いそのパフォーマンスを、ステディなユーザーが高く評価。その気軽な乗り味にバイクの楽しさを再発見する人も。そして何よりエントリーユーザーに優しいクラスとしても大注目されているからだ。
小排気量ながらエンジンは水冷DOHC
足周りは本格的な前後17インチ
さっそく跨がると思わず頬が緩む。本格的バイクとしてのシッカリとした厚みや重さ、そして剛性感があるものの感触はとても軽快。アグレッシブなライトやタンクデザインながらライディングポジションがスマート。その優しいフィット感はとても親しみやすい。
6 速ミッションを駆ってスタートすると小気味よく軽快に加速する。街中の交通にも上手くシンクロできる程良いパフォーマンスは絶妙。エンジンはスムーズで伸びの良い出力特性を発揮。中低速域では柔軟なトルクを、そしてアクセルをワイドオープンすると高速域までストレスの無い噴き上がりを誇り気持ちが良い。
6000rpm以上の領域を使うと走りは俄然元気良くなる。8000回転でシルトアップを促すパイロットランプが点灯。ギヤの繋がりも適切で快活なスポーツライディングが楽しめる。レッドゾーンは1 万1500回転から、素直に回るがそこまで引っ張る必要はない。
ペタルタイプの前後シングルディスクブレーキはボッシュ製のABS10 ユニットが採用されライディングミスを助けてくれる安心感は大きい。体重約50㎏の記者にとっては、サスペンションがやや固めに感じられたが素直な操縦性と共にシッカリ感のある乗り味は好印象だった。ハンドル切れ角も不足はなく、小回りU ターンの扱いも楽。足代わりからツーリングまで、キビキビと走れたのが印象的。
そこにはビギナーにもぜひ体験して欲しい楽しい乗り味があった。
125ccらしからぬハイエンドな装備が満載!
■GSX-S125 ABS 諸元■
・型式:2BJ-DL32B
・全長 / 全幅 / 全高:2,000 mm / 745 mm / 1,035 mm
・軸間距離 / 最低地上高:1,300 mm / 165 mm
・シート高:785 mm
・装備重量:133 kg
・燃料消費率:定地燃費値 ……48.2 km/L( 60 km/h) /WMTCモード値 ……44.7 km/L
・最小回転半径:2.3 m
・エンジン型式 / 弁方式:CFA1 ・ 水冷 ・ 4サイクル ・ 単気筒 / DOHC ・ 4バルブ
・総排気量:124 cm3
・内径×行程 / 圧縮比:62.0 mm × 41.2 mm / 11.0 :1
・最高出力:11 kW〈15 PS〉 / 10,000 rpm
・最大トルク:11 N・m〈1.1 kgf・m〉 / 8,000 rpm
・燃料供給装置:フューエルインジェクションシステム
・始動方式:セルフ式
・点火方式:フルトランジスタ式
・潤滑方式:ウェットサンプ式
・潤滑油容量:1.5 L
・燃料タンク容量:11 L
・クラッチ形式:湿式多板コイルスプリング
・変速機形式:常時噛合式6段リターン
・変速比:1速 2.923 /2速 1.933 /3速1.476 /4速 1.217 /5速 1.045 /6速 0.925
・減速比(1次 / 2次):3.285 / 3.214
・フレーム形式:ダイヤモンド
・キャスター/ トレール:25°30' / 93 mm
・ブレーキ形式(前 / 後):油圧式シングルディスク(ABS)/ 油圧式シングルディスク(ABS)
・タイヤサイズ(前 / 後):90/80-17M/C 46S / 130/70-17M/C 62S
・舵取り角左右:40°
・乗車定員:2 名
・排出ガス基準:平成28年二輪車排出ガス規制に対応