ホンダの研究開発子会社である株式会社本田技術研究所が、オープンイノベーションを一層加速するため、米国・シリコンバレーにある同社の子会社である現地法人Honda R&D Innovations, Inc.(以下、ホンダイノベーションズ)で実施している、スタートアップ企業とのコラボレーション推進プログラムを、グローバルに展開することを発表した。
ホンダイノベーションズでは、2015年より、オープンイノベーションを通じて革新的な製品やサービスを作り出すための取り組みとして、「Honda Xcelerator(ホンダ・エクセラレーター)」というプログラムを、シリコンバレー、ボストン、イスラエルで推進。Honda Xceleratorは、革新的なアイデアを持つスタートアップ企業に対し、資金援助やコラボレーションの場、テスト用車両、ホンダのメンターによるサポートなどを提供するプログラムであり、エネルギー、ヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)、パーソナルモビリティー、自動運転、人工知能(AI)、先進素材、ロボティクスなどの領域を開発対象とし、モビリティーやエネルギーマネジメントの進化を目指している。
このHonda Xceleratorプログラムを通じて、LEIA社(LEIA社は「LEIA3D」を開発。LEIA3Dは、ナノテクノロジーを使って3D表示を行うドライバー用ディスプレイで、どの角度から見ても自然に立体に見えるディスプレイである。ナビゲーションや交通情報などさまざまな情報の表示への活用を検討している)やVocal Zoom社(Vocal Zoom社は「Vocal Zoom」を開発。
Vocal Zoomは人間の顔の皮膚の振動を光学的に読み取ることで、音声を正確に捕捉する技術のこと。現在、騒音環境下のボイスコマンド入力の性能向上を目指している)などのスタートアップ企業と、テクノロジーの開発を行なってきたホンダは、これらの実績を踏まえ、今後、同様の取り組みを、これまでの地域に加え、米国・ミシガン州デトロイト、日本、中国、欧州にある本田技術研究所の子会社である現地法人のネットワークを活用し、拡大していく。
本田技術研究所は、このプログラムをグローバルに展開することで、現地のスタートアップコミュニティーと緊密な関係を構築し、イノベーターと相互にメリットのある関係を築き、新たな技術やビジネスモデルを採用した将来の製品やサービスの研究開発を強化していくという。
Honda R&D Innovations, Inc. CEO 杉本直樹氏のコメント
「ホンダを取り巻くイノベーションのスピードは、スタートアップコミュニティーの拡大とともに、グローバル規模でさらに加速しており、ホンダの将来の製品やサービス、ビジネスを大きく変える可能性があると考えています。デトロイト、日本、中国や欧州で拡大するコラボレーションが、相互にメリットのある新たなビジネス機会の創出につながると期待しています」