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開発が進むMRJ、自然環境下での極暑飛行試験を実施


三菱重工がグループを挙げて開発を進める国産初のジェット旅客機MRJ。その飛行試験機4号機は、8月~9月にかけてアリゾナ州メサのフェニックス・メサ・ゲートウェイ空港で、最高気温42°C(108°F)のなか、自然環境下での極暑試験を実施した。(以下MRJニュースレターより)

極暑試験は、今年初めにフロリダ州エグリン空軍基地のマッキンリー極限気候研究所で実施された試験の延長線上に位置づけられているもの。研究所での地上試験から得た試験データを評価し、環境制御システムを改善。酷暑のなかで飛行試験を続ける準備を整え、今回の試験を実施した。極暑試験は順調に執り行なわれ、収集されたデータは、今後世界中のあらゆる温度条件でも快適な乗り心地を提供するべく更なる改善の為に用いられる。

先進設計によりMRJの空力設計を最適化

各国の規制がより環境に優しい航空機を求める中、将来どのような航空機を開発すべきかを決定する上で、空力技術は重要な役割を果たす。先進の空力設計技術を用いて開発されたMRJの高い燃費性能と環境適合性は、次世代航空機に求められる条件となっている。これら空力設計は、多目的設計探査(MODE)を用いて行なわれる厳密な設計作業により実現されている。


MODEは、東北大学、三菱重工業株式会社そして三菱航空機株式会社との共同研究により開発された先進的な設計手法であり、MRJの開発において重要な役割を果たしている。MODEを用いることで、MRJの各種性能を視覚化し、設計者のトレードオフ検討を可能とすることで最大限の性能を引き出す。




例えばMRJの設計において、MODEは、主翼の低抵抗化と複合材構造の軽量化のための設計に活用され、環境へのインパクトを軽減することに貢献している。以下図中のカラーは高速飛行時の圧力分布を示す(青色部分が低圧力、赤色部分が高圧力を意味する)。




左図の青色部分は局所的な衝撃波(急激な圧力低下)を示しており、MODEによる最適設計を適用した結果(右図)、衝撃波が緩和され、空力抵抗の低下とバフェットリスクの低減を達成した。

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