10月25日、東京ビックサイトにて第45回東京モーターショー2017(会場:東京ビックサイト)が開幕。125cc化&12インチ化を果たした、ホンダのコンセプトモデル「モンキー125」は、バイクファンとしては見逃せない。(PHOTO:てつかたかし/山田俊輔)
今年9月1日 から現行車への適用が始まった「新排ガス規制」によって、半世紀ものあいだ世界中の愛玩バイクとして愛され続けてきたモンキーが生産終了を迎えたという話題は記憶に新しい。
そんな中、今回のモーターショー・ホンダブースには、まさしく「モンキー」の出で立ちの車両が展示されていな……が、隣に置いてあるスーパーカブと比べると大きめで、モンキーらしくない縮尺にも感じられる。
往年のモンキーのホイールサイズは8インチ。この小さなホイールに加えて、ハンドルを畳めることでクルマのトランクにも余裕で収納できる、どこにでも運べる「レジャーバイク」としての地位を確立してきた。一方こちらのコンセプトモデル、「モンキー125」は、12インチの前後ホイールを選択。「乗って楽しい」を追及したホイールサイズなのだろう。燃料タンクにボリュームを持たせることで、モンキーらしいバランスとデフォルメ感を上手く演出している。
しかし実車を目の前にすると全長1713mm、全幅753mm、全高1030mmという車体寸法は、従来のモンキー(全長1365mm)と比べると一回り以上も大きく、同じホンダ125ccバイクのグロムと同程度と思える。
『モンキー125は、2016年のバンコクモーターショーで世界初公開された「モンキーコンセプト」をベースにブラッシュアップしたものです』とホンダデザイン室チームリーダーの立石康さん。
グロム系の横型エンジンによって排気量を125ccに高めたことに伴い、ホイールベースもバンコクモーターショー時よりも少し長く設定したり、エアクリーナーの容量の適正化するなど、心地よく、かつ楽しく走れるように各部の寸法はリアルに突き詰めているという。
……ということは、市販化も視野に入れているのか。尋ねてみるも「このモーターショーでの反響次第ですね」とお茶を濁された返答であった。しかし、可能性がゼロではないということはうれしい限りだ。
誕生から50年目の節目となる今、ホイールは「合わせ」から「キャスト」となり、タイヤも「チューブ式」から「チューブレス式」に。フロントフォークは「グリス式」から「倒立式」、前後ブレーキも「ドラム」から「ディスク」と、足周り一つとっても飛躍的なグレードアップが果たされた。今回のコンセプトモデルは、モンキーの歴史の集大成として、隅々まで興味深く見ることができた。