三菱自動車工業は10月18日、2019年度の年間販売台数目標と年間売上高目標をそれぞれ、2016年度比30%以上増の130万台、2.5兆円とする3ヵ年の中期経営計画「DRIVE FOR GROWTH」を発表した。その概要は下記の通り。
・年間の販売台数と売上高を30%以上増加させる3ヵ年計画
・営業利益率6%以上を達成
・設備投資と研究開発費を3年間で計6,000億円以上に増額
・新型『エクリプス クロス』を含む6車種の新規モデル投入により商品の刷新を加速
・米国、中国、アセアン市場で、SUV拡販による成長を実現
(1)商品の刷新:
本計画の期間中に11の新型車を投入。このうち6車種は新規モデルまたは現行モデルのフルモデルチェンジとなり、毎年2車種の投入が予定されている。同社の強みであるSUV・4WD車およびプラグインハイブリッド車からなる5車種で、グローバル販売台数の70%を占める予定。さらに、低排出ガス車へのシフトが進む中、2020年以降、軽自動車EVを含む主力モデルに電動化パワートレインを用意する計画。
(2)主力市場への注力により、売上成長を実現:
同社の最大かつ高収益市場であるアセアン地域では、今年操業を開始したインドネシアの新工場、および新規投入した新型「エクスパンダー」が成長を主導する。アセアン地域での年間販売台数は206,000台から、2019年度には310,000台まで増加する予定となっている。日本では、軽自動車の新型車を投入。米国では、販売事業の強化を進め、2019年度に30%増となる年間130,000台の販売を目指す。中国では、ディーラー網を倍増し、2019年度までに販売台数を倍以上の220,000台に引き上げる。
(3)コスト最適化:
同社はコスト管理を徹底するとともに、研究開発費を大幅に増額しながらも、開発費や生産・物流コストも含めた「ものづくり総コスト」の年率1.3%低減を目指す。これらのコスト管理を行いながら、同社はルノー・日産・三菱自動車アライアンスのメンバーとして、共同購買や研究開発でのコスト回避などのシナジー効果で本計画期間中に1,000億円以上の効果を生み出す。
このように、同社は強みであるプラグインハイブリッド車の技術やSUV・ピックアップトラック、そしてアセアン地域での高いマーケットシェアにより、アライアンス全体の中でも、2016年の50億ユーロに対して2022年に倍増となる100億ユーロのシナジーに寄与していく。
益子修CEOは、「私たちは、商品ラインナップを刷新し、投資を拡大しながら、重要市場での成長を目指します。また、本計画の3年間に渡り、当社の変革を継続してまいります」と述べている。