SUBARU AWDの良さを再確認
X-MODEもあるとないとじゃ段違い
SUBARU STYLE VOL.9/スバルスタイル
新型レヴォーグでの雪上走行の次は、SUBARU XV 2.0e-S EyeSight(スタッドレスタイヤ=YOKOHAMA ice GUARD G075,225/R18)のインプレッションです。再び、86&BRZレース/チャンピオンの久保凜太郎選手と助手席のにゃんちゅうーこと今泉あやでお届けしていきます♪
まず、XVには特徴的な走行性能がいくつかあります。
●e-BOXER(2.0l 直噴エンジン+モーター)
水平対向エンジンと電動技術を組み合わせたパワーユニットで、アクセルを踏んだ瞬間からスムーズに加速し、トルク感を味わえます。また、e-BOXER専用制御で様々なシーンに対応するだけではなく、X-MODE(後ほど紹介)作動時にはモーターのトルクやレスポンスの良さを活かして脱出性を高め、走破性と安心感をより高めてくれます。
●X-MODE(2モード、ヒルディセントコントロール付)
路面状況に合わせて、SNOW・DIRTモードかDEEP SNOW・MUDのどちらかを選択するだけで、4輪の駆動力やブレーキなどをコントロールし、悪路での走破性のアップを図ります。また下り坂などで常に一定の車速をキープするヒルディセントコントロール機能も付いてます。
●VDC(ビークルダイナミクスコントロール)
横滑りなどクルマの不安定な挙動を抑えるシステムで、コントロールの限界近くでは4輪それぞれのブレーキ制御によってドライバーをアシストし、コーナリングや急な危険回避の時の安定性がアップします。
●アクティブ・トルク・ベクタリング
旋回時、VDCによって内輪側にブレーキをかけることで相対的に外輪側の駆動力を大きくし、背の高いSUVであっても安定した旋回性能を発揮します。
これだけ素晴らしい機能があると、一気には覚えられないですよね笑 実際に走ったシーンと交えて見ていきましょう!
シチュエーションは、レヴォーグと同様、雪が深々と降る雪の坂道です。XVが得意とするまさにオフロードセクション。それでは上り坂、インテリジェントモードからスタートしていきましょう☆
走り始めから新型レヴォーグと比べて軽やか、スムーズに登っていきました。
凜「新型レヴォーグは乗ってて安定感はあるんだけど、XVは車格や最低地上高の高さも気にせずガシガシ上っていける、そういう意味でも不安は少ないね。XVなら大丈夫でしょう!って思える。ちょっと轍の上に乗ってみようか。おっ、平気だ。ちょっと踏めばグゥーと加速もしてくれるし。」
にゃ「パワフル。レヴォーグみたいな低重心って感じではないけど安心感はありますね。」
凜「AWDの強さが出てるよね。目線が上がるだけでも視界も広がって運転しやすくなるし。少しは滑っているけど、それでも前に進んでる。アクセル踏めば加速してパワーを伝えて前に前に進んでくれているのがわかる。」
なかなか進みにくい雪の上り坂をスムーズに走れるのは、低速域からのモーターアシストでトルクを感じられるe-BOXERのおかげなんです。すごいぞすごいぞ!
凜「お。今ちょっと滑ったね。」
にゃ「でもヒヤッとしなかった。」
凜「なんもない。おっとっとーもないね。レヴォーグは一回滑った時、しっかり電子制御が効いてるなーと思ったけど、XVの場合はシンプルにこのクルマの素性でそれを補ってくれてるな。懐が広い! 悪路になるとわかるね。ほら、轍の上を走っても普通に走ってくれているでしょ。(ゴリゴリ)」
にゃ「轍なのか轍じゃないのかわからないくらい普通にちゃんと走ってる!」
滑っても真っ直ぐに走ってくれようとするのはVDCが効いている証拠ですね! では、次は下り坂、日も暮れてきて気温も下がり、路面の雪が凍り始めていました。
凜「エンジンブレーキを使いながら行きますが、うーん、ちょっとXVの方が効き目が甘いかな。スポーツモードにしてみよっか。滑りやすそうな雰囲気だね。」
にゃ「ゴツゴツしてますね。」
凜「レヴォーグと比べて目線が高いから運転しやすいって言うのもあるけど、やっぱりクルマの素性の良さ、SUVの安心感は下りでも大きいなー。ペース良く走れちゃう。」
にゃ「スポーツモードにして何か変わりました?」
凜「エンブレの効きが多少強いかな。そこまで大きくは変わらないけどね。レヴォーグの方は、そこは振り幅は大きかった。コンフォートからスポーツまであるから変化はわかりやすかったね。」
にゃ「確かに!」
凜「結構大きめの雪がある轍を今走ってるよ。」
にゃ「え? わからなかった(゚д゚)」
凜「車高が高い分、脚のストロークが多いね。縮んだり伸びたりする距離があるから、ボディが揺れるとかゴツゴツする突き上げ感の前にしっかり脚が衝撃を吸収してくれて、それからクルマに伝えてる。だからレヴォーグよりもXVの方がゴツゴツ感がないよね。お尻に伝わってくる感じはXVのがいいなー。」
にゃ「乗り心地良いですよね。柔らかい。」
凜「お! 急なカーブ。ハンドル切っても滑ってる感覚ないね。いいよーXV!」
にゃ「上りはレヴォーグの方が乗り味とかは重みがあって好きだったけど、下りに関してはXVの方が滑らないかもという印象を受けました。」
VDCとアクティブ・トルク・ベクタリングの制御が効き、凍った路面でもヒヤヒヤシーンはありませんでした。
次はより凍ってる道と雪深い道でX-MODEを試してみました。X-MODEには SNOW・DIRTモードとDEEP SNOW・MUDモードの2つがあり、2つの違いはDEEP SNOW・MUDモードに切り替えるとトラクションコントロールがオフになるところです。なぜオフになるかというと、トラクションコントロールは発進・加速時のタイヤの空転を防止する制御ですが、深い雪やぬかるんだ泥道を走行するときはタイヤをかいて前に進む、つまりはアクセルを踏んでタイヤが滑っている力を使って前に進むイメージなので、オフになるということなのです。まずは SNOW・DIRTモード作動時のインプレッションから見ていきましょう!
凜「アクセルの踏み始めからトルク配分が強いね。前に進もうとする力を強く感じる。トルクフルな感じだね。上り坂とかでアクセルを踏まなきゃ前に出ない、キックバックしちゃってタイヤが空転しちゃうということがたまにあるんだけど、この深い雪でもそれが全くないね。ちょっと試しに雪がたくさん積もってるところでブレーキを踏んでみると……。おっ! しっかり止まるね。」
にゃ「ブレる感じもないですね。」
凜「ちょっと今滑ったけどXVの安心感がさらに強くなったなぁ。」
にゃ「御守りですね。」
凜「今の路面はちょっと凍り始めてて走りにくい道なんだけど、その辺も全然気にならないくらい、もちろんスタッドレスタイヤのおかげもあるけど、そのタイヤの力もしっかり使えていると思う。」
にゃ「全部が合わさって良いバランスになっているんですね!」
次はより雪深いところでDEEP SNOW・MUDモードで走行してみました。
凜「トラクションコントロールが切れました。わざと轍ではなく雪の多い轍の上を走ってみようと思います。ラフなアクセル操作もしてみようか。(ブーン)滑ってるねー。あっ、わかった!トラクションコントロールは滑ってから効いてる。滑ったタイヤのブレーキをつまんで、タイヤがそれより滑らないようにしてタイヤを路面にくっつけてグリップさせる感じかな。このXVのトラクションコントロールはDEEP SNOW・MUDモードにすると滑った後、その回転を止めずに細かい制御をちょっと入れて姿勢だけを乱さないようにしてくれている感じ。滑っても姿勢を乱さず真っ直ぐ走れるように制御しているね。」
にゃ「あれ、X-MODE切れちゃいました (´・ω・`)」
凜「一定の速度が出るとX-MODEが解除されるみたい。20km/hまでの間で作動するね。下り坂で車速を維持してくれるヒルディセントコントロールも一緒に切れちゃうみたいだ。」
にゃ「速度を一定に保ってくれるのは便利ですね。」
凜「雪が深いところでアクセルを入れてガガガって滑ってもしっかり前に進めてくれる。滑らないために止めるんじゃなくて、多少滑ってるけど、それでも前に前にってしてくれるのがDEEP SNOW・MUDの良いところかな。」
にゃ「埋まっちゃうこともなく、すごいですね!」
凜「またしてもこれはXVの素性の良さもあるし、このX-MODEがあるのとないのとではクルマのポテンシャルが変わってくるね!」
ボタンひとつで設定が可能なX-MODE。レヴォーグのドライブモードセレクトも捨てがたいが、雪や泥などのラフロードでの優位性は高い。
今回の走行は本当に本当に吹雪いていたし、THE雪国という感じで正直ちょっと不安なところもありましたが、凜太郎選手のドラテクのおかげと笑、XVの悪路走破性の高さ、それを手助けしてくれる先進技術のアシストもあり、無事に走行インプレッションを終われることができました。ウインタースポーツをする方も、豪雪地帯にお住まいの方も、アウトドアを楽しむ方も、誰でも安心安全に走れるXVです! あっぱれ!! 皆さんも乗ってみてくださいね。
●久保凜太郎/オフィシャルSNS
https://twitter.com/Rintaroofficial
●今泉あや/オフィシャルSNS
https://twitter.com/aya0006nyan
●SUBARU XVの試乗動画はこちらから!
スバルスタイルVOL.9より
2020年4月8日発売
特別付録/世界最速 新型BRZガイドブック付き
購入はこちらから。
https://www.amazon.co.jp/dp/4779643678/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_06E59VANDVMVVMT3KT8S
スバルスタイル編集部
文:今泉あや
写真:土屋勇人