見えるところだけ見てると痛い目に!?
車高が変わると見えない内側はどう動いている?
ローダウンするにしても、リフトアップするにしても、外側だけを見ていないだろうか。外側であれば、フェンダーが当たるなど、目で見て状況を確認できる。では、内側はどうだろう。何も起きていないから大丈夫……なのかもしれないが、実は危険と紙一重かもしれない。というわけで、ここでは内側の状態にクローズアップ。これを機に多少気にしてみるようになればうれしいです。
ローダウン車は様々な干渉が起きやすくなる
まずはローダウン車から。サスペンションは、ロアアームやタイロッド、ドライブシャフトなどがつながっているわけだけど、純正車高というのは各ブッシュに負担にならないフラットな状態。ローダウンすれば、タイヤが上がっていくので、アーム類はバンザイをしたような感じになるのだ。そこからさらに下げると、最終的に様々なパーツがボディに干渉するアームロックという状態になる。いわゆる下げ止まりで、さらに下げるには対策パーツが必要。
フロント
ミニバンやSUVであれば、かなり下げてもドライブシャフトの干渉などは起きない。ただし、アーム類がバンザイしているということは、ブッシュもねじれているということ。厳密にするなら、走行車高に合わせたら1G状態にしてブッシュ類を締め直すのが吉。
リア
写真は30アルファードのリアサスペンション。ロアアーム(横長の黒い部分)がやや上向きになっているのがわかるはず。実は、この状態、もう少しでいろんなものが当たるギリギリ。最近のクルマは居住スペースの関係もあり、リアは下げ止まりやすい。
下げていくとロアアームとボディでブレーキホースを挟んでしまう。超危険なので、そうならないように逃がして対応可能。
写真は30アルヴェルのリアアッパーアーム。ボディとくっついた下げ止まり状態だ。さらに下げるには、アーム交換が必須。
こちらは前後に伸びるスイングアーム。これも下げていくとボディと接地したアームロックを引き起こしてしまうポイント。
車種によってはドライブシャフトに注意
Kカーなどは、車高を下げていったときに、ドライブシャフトがフレームに当たってゴリゴリとイヤな音を発する。そこで、ボディ側に切り欠きを設けるCノッチ加工という処理をして、ドライブシャフトの干渉を防ぐ。豆知識として覚えておこう。
リフトアップする場合は干渉よりも脱落に注意
では、リフトアップ車はどうだろうか。車高が上がる=タイヤは下がるので、基本的に干渉は起きない方向に足まわりは動く。だからローダウンと違って、どこまででも上げられる……かと思いきや、実はタイヤが下がることで違う危険が迫ってくる。つまり、それらの対策を行わなければ、そこがリフトアップの限界ということ。これ、要チェックですよ。
リフトアップしていくと、ドライブシャフトが抜け落ちる危険が出てくる。もちろん、1〜2インチアップなら問題ない範囲。
写真は、フロントのブレーキホース。車高を上げると伸びていき、いずれはビーンと伸びきってしまう。かなり危険だ。
スタイルワゴン2020年5月号より
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ]