「ドイツは自動車大国」。よく使われるフレーズですが、筆者は先日、思わぬかたちでそれを実感することになりました。そろそろ新しい愛車が欲しいなと思い、ドイツの中古車情報が出ているウェブサイトをいくつか見て回るのが日課になっているのですが、あるときにふと気付いたのです。
掲載されているクルマの数が、日本とは桁違いに多い!
具体的には、日本の主要中古車情報サイトに登録されているクルマの数はおよそ40〜50万台です。ところが、ドイツの中古車情報サイトの場合はなんと100〜200万台。また、こうしたサイトの多くはドイツ以外の国、つまりヨーロッパのあらゆる国のクルマ情報が一括検索できるようになっているのも、日本とは大きく異なるポイントと言えるでしょう。
実際、ドイツの中古車市場の取引は非常に活発に行われていて、インターネット上でも「こんなクルマがおすすめ!」という情報には事欠きません。今回のドイツ現地レポは「今、人気のある中古車とは?」と題して、活発なドイツの中古車市場において、2020年7月現在評価の高いクルマを紹介していきたいと思います。
クルマの「高齢化」が進むドイツ
それにしても、なぜこんなにも市場に流通しているクルマの数に差があるのでしょうか?
1,000人あたりの自動車保有台数は、ドイツが世界9位で603台、日本が世界13位で594台(出典:総務省「世界の統計 2017」)と、それほど開きがあるわけではありません。ところが人口で比較すると、日本の約1億2,596万人(2020年、総務省)に対し、ドイツは約8,315万人(2019年9月、独連邦統計庁)と、ドイツは日本に比べてかなり人口が少なく、上記の疑問の答えはここからは得られません。
答えのひとつと考えられるのが、ドイツ国内のクルマの平均年齢が伸びている、ということです。ドイツのTÜV Rheinland(テュフ・ラインラント。ケルンに本部を置く技術、安全、証明サービスに関する認証機関。ドイツ国内では車検を行う機関として知られる)の発表によると、2019年のクルマの平均年齢は9.5歳で、2010年の統計の際の8.1歳より明確に伸びています。ドイツでは、クルマを廃車にするまでの期間が年々長くなってきているのです。