あくまで「基本的には」ではあるものの、やりたいことだけをやり、会いたい人とだけ会いながら、割と幸せに日々暮らしている不肖筆者である。
それゆえ、これまでは「オレはもういつ死んでもいい! もう十分楽しく生きたので、明日死んでも悔いはない!」ぐらいに思っていた。思っていただけでなく、そういった意味のことを、どこかの商業媒体に書いた記憶もある。
だが新型コロナウイルス感染症ことCOVID-19の脅威が他人事ではなく割と眼前まで迫ってくると、つまり「まぁ確率的にたぶん大丈夫だとは思うけど、下手すりゃ3週間後ぐらいに死んでも特に不思議ではない」という状況にいざ直面すると、前言は思いっきり、華麗に、撤回された。
「もしも明日死んだら“悔いだらけ”である!」というのが、今の筆者の偽らざる心境だ。
さまざまな悔いが、ある。
オンナのこと。カネのこと。ぶっちゃけもっと権力や名声が欲しかったかもということ……等々もあるわけだが、こう見えて不肖筆者も自動車愛好家の端くれであることに間違いはないため、クルマに関する後悔も、当然ながらある。
「嗚呼。こんなことなら、生きてるうちにアレを買っておけば良かった……」と思ってしまういくつかの輸入車たちについて、ここで少々述べてみることにしよう。
以下は、あくまでわたし個人の考えというか欲望に基づく「乗らないと悔いが残る輸入車BEST5」だが、わたし以外の人にとっても、いくばくかの参考になるはずだとは思っている。
●買っときゃ良かった第5位|ミニ(BMW製じゃなくて英国製のほう)
いつかは買わねばと思いながら、今日にいたるまで自分の中で「先送り」され続けたのがコレだ。不徳の致すところである。
元祖ミニを「買わねば!」と思ったのは、当時『ENGINE』誌の編集長だった鈴木正文さん(現GQ日本版編集長)に、とある案件でインタビューしたときだった。
インタビューの主題も会話の文脈もすべて忘れたが、スズキさんはおおむね以下のようなことをおっしゃった。
「やっぱりね、人は名車に乗らないとダメだよ」
ダ、ダメですか? とうろたえる筆者に、スズキさんは重ねていった。
「うん、ダメだね。名車はね、人間の心と身体にものすごくいい影響を与えるんだ。ダメなクルマは、その逆の影響を与える。とにかくね、値段の高低じゃなくて“いいクルマ”に乗るべきなんだよ、人は」