製造から30年以上が経過し、かつ大幅な改造がなされていないクルマにのみ付与されるドイツ独自の旧車優遇制度、Hナンバー。historisch(歴史的な)という意味をもつ、このナンバーを取得すると、自動車税や自動車保険が優遇されます。筆者にとって、ドイツの街中を散策しながらHナンバー車を探すのは密かな楽しみなのですが、このクルマを発見した時は思わず「あっ」と声が出ました。今回ご紹介するのは、Hナンバーを掲げたトヨタ・初代セリカのリフトバックモデルです。
ドイツで根強い人気の初代セリカ
一見しただけで状態の良さが伝わってくる、素晴らしいコンディション。各部のクロームパーツには、くすみや曇り、錆などもなく、まるでおろしたての新車のようです。シルバーのメタリック塗装の状態も良く、現地の方も「美しい!」と言いながらスマートフォンで撮影していました。ハンドル位置は左で、ヨーロッパ仕様として輸出された一台と考えられます。
トヨタ・初代セリカが登場したのは1970年。「ダルマ」「ダルマセリカ」の愛称でもおなじみです。ボディスタイルは当初クーペのみでしたが、1973年に今回ご紹介するリフトバックモデルが追加され、1977年まで生産が続けられました。リフトバックモデルはクーペモデルよりもより長く、より低いプロポーションになっており、その優美なスタイリングは国内外で高い評価を獲得します。写真の個体はエンブレムからわかる通り、最上位グレードのGTに次ぐモデル「ST」ですね。
常勝ポルシェを打ち負かせ!セリカLBターボ
実はCLでも以前、2017年7月20日公開の記事で、ドイツに生きる初代セリカについてご紹介したことがありました。ドイツで日本の旧車を見かけることはめったにないのですが、その中でも初代セリカに遭遇する機会は比較的多いように思えます。ドイツでの初代セリカの人気はどこからくるのでしょうか?モータースポーツに詳しい方ならピンとくるかもしれませんね。そう、トヨタ・セリカLBターボの存在です。