独自動車大手のダイムラーは2月21日、大型電気トラックを2021年から量産する計画を発表した。同計画の実現に向けて、2018年から電気トラック「eアクトロス」10台を顧客による実用試験に投入する。量産電気トラックの都市部におけるエミッションフリーで静かな走行を長期的な目標に掲げている。
「eアクトロス」は、18トンと25トンの2タイプを用意する。実用試験には、スーパーマーケットチェーンや物流会社などドイツ、スイスの10社が協力する。食品や建材など様々な業界の輸送業務に「eアクトロス」を投入し、実用性や経済性を評価する。実施期間は、第1ラウンドとして12カ月、第2ラウンドとしてさらに12カ月を計画しており、少なくとも2020年半ばまでを予定している。
実証試験の結果は車両の改良に生かしていく。また、協力企業の結果も共有し、事業モデルの開発やルート計画の改善などに役立てる。
実証試験プロジェクトは、ドイツの連邦環境省(BMBU)や連邦経済エネルギー省(BMWi)から資金支援を受けている。
■「eアクトロス」、航続距離は最大200キロメートル
「eアクトロス」の航続距離は最大200キロメートル。後部車軸のハブ付近に電気モーター2基(出力125キロワット、最大トルク485Nm)を装備しており、リチウムイオン電池(240キロワット時)を搭載している。
独業界紙『オートモビルボッヘ』によると、メルセデス・ベンツトラックスのシュテファン・ブーフナー取締役(メルセデスベンツのトラック担当)は「eアクトロス」の量産規模について、当初は年約1,000台を計画している、と話している。また、2021年に市場投入するモデルの販売価格は、従来の内燃エンジン搭載モデルに比べるとまだ高い、との見通しを示している。
[提供元/FBC Business Consulting GmbH]