
<高校野球兵庫大会:東洋大姫路9-2高砂>◇11日◇2回戦◇ウインク球場
昨秋、今春と県内無敗の東洋大姫路が14年ぶり夏の甲子園出場へ向けて、コールド発進を決めた。背番号1の木下鷹大投手(3年)が7回2失点完投。「夏は勝てばいい。全国優勝まで勢いづけてやっていければ」と汗を拭った。
今春センバツまで阪下漣投手(3年)が背負ったエース番号をセンバツ後からつけ、今夏も着用。初戦の先発マウンドを託されて、7回9安打を浴びながら2失点と粘った。「初戦の緊張感もあって思うように投げられなかった。内容は良くなかったんですけど、結果的に抑えてチームは勝っているので良かった」。優勝候補のエースがコールド発進に貢献した。
今大会前に阪下と交わした約束があった。「俺が甲子園に連れていく」。木下は右肘を故障して昨秋は登板できなかった。当時、阪下から「センバツに絶対に連れていく」と言葉を受け、約束を果たしてもらった。今夏は逆の立場。同じ形で恩返しするつもりだ。
センバツで右肘を故障した阪下は今大会背番号10でベンチメンバーに復帰した。この日はシートノック補助や攻守交代時に水分や用具を渡すなど裏方に徹し、「勝利をもたらせたので良かった」と笑顔。現状は捕手を座らせてブルペン投球を行っており、大会中の復帰登板も見込む。
木下も仲間のベンチ入りを喜んだ。「阪下が入ることでチームが活気づく。チームに必要な存在だと思う。自分が阪下を甲子園に連れていく気持ちで投げ抜いて、絶対に甲子園に行きたい」。木下と阪下。チームの支柱が聖地をたぐり寄せる。【林亮佑】