夜行バスで日本全国を巡る? 壮大な企画のきっかけ
ある日、バスとりっぷ編集部におじゃまして、みなさんと話をしていた時、ある企画が浮上した。
ついつい、いつもの調子で
「学生の移動は、夜行バス、高速バス一択です!新幹線はまずないです。」
と発言したのがことの発端だった。
編集部のみなさんが「おっ、これは!」という顔色に変わったのを見つつも、さらに
「旅先で美味しいものを食べるためなら、移動費は極限まで切り詰めます。仮に3列シートの割に安いって言われても、やっぱり4列シートのほうが安いので、絶対にこちらを選びます。」
と言い切ったとき、すでにこの企画はスタートしたも同然だった。

編集長 「松尾くん、日本全国まわってみない?もちろん夜行バスで!」
松尾くん 「いいですよ!よろこんで行かせてもらいます!」
こうして夜行バスで日本全国47都道府県を巡るチャレンジ企画が決定した!
そして今回の企画を進めるに当たり、こんなルールを作ってくれた。
【47都道府県制覇の旅・ポイントルール】
・泊まる=5点
・ご当地グルメを食べる=1点
・ご当地を満喫する=1点
・Facebookで50シェア以上=5点
★合計100ポイントたまったらご褒美に「豪華バスの旅」GET!
ポイント制で、100点溜まったら豪華バスに乗せてくれるらしい。
テンション上がる~
よっしゃ~、早速行ってきます、編集長!
どこでもいいって言われたので、最初に選んだのは、本州最北の県・青森。ご当地グルメの宝庫、食べまくりです!!
早朝に着く夜行バスだからこそできる、朝から夜まで青森食べ尽くし。冬の東北で心も体もあたたまる一人旅、全国制覇への第一歩のスタートです!
夜行バスで青森にラクラク早朝到着
今回、東京⇒青森の移動に利用したのは、国際興業バスの「シリウス号」。池袋を22時45分に出発し、朝7時30分に八戸駅に到着する夜行便です。
乗り場は池袋駅から徒歩約5分。JR池袋駅の東口を出て、目の前の横断歩道を渡り、そのまま駅を背にサンシャイン中央通りを真っすぐ歩きます。
突き当たりの通りを左に進むと、そこがバス乗り場。
待合室や大きな案内がないので、注意しておかないと通り過ぎてしまいそうです。乗り場自体よりも、バス待ちの人たちを目印にした方がわかりやすいかも。
バス乗り場を少し過ぎたところにファミリーマートあり。飲み物を買うならここが便利そうです。朝ごはんは旅先でおいしいものがあるので買わずにガマン!


今回のバスは一般的な4列シート。ドリンクホルダーとフック、網ポケットにはおしぼりとビニール袋が全席に配置されています。
※乗車日は2016年12月27日。通常、シリウス号は3列シート。


9時間半の長旅ですが、乗る前にお酒を飲んでいたこともあってか、途中のサービスエリア休憩にも気付かないほどぐっすり眠りました。2時間毎に休憩するものの「マイクでのアナウンスはしない」とのことだったので、僕のように熟睡するタイプが起こされるようなこともありません。
到着は八戸駅前のバスターミナル。定刻の7時30分より15分ほど早く到着しました。
夜行バスで八戸駅に到着で3ポイントGET!
朝食は八戸の朝市で贅沢&格安のお好み海鮮丼「のっけ丼」を堪能!
朝早くに着く夜行バス旅だからこそできる、旅先での朝ごはんの楽しみ。
青森・八戸での朝食のおすすめは海鮮丼!鮮度が大事な海の幸は、漁港に近い市場で食べるのが最もおいしく、しかも安いのです!
八戸駅から朝市の最寄り駅である陸奥湊(むつみなと)駅へ、JR八戸線で移動。八戸駅を7時55分発なので、駅でトイレを済ませてからでもゆっくり乗車ができそう。八戸駅から約20分、陸奥湊駅に着いたら、朝市はもうすぐ目の前!


市場の中では、新鮮な刺身や焼き魚などのご飯のおかずが、びっくりするほど安い値段で売られています。お好みのおかずを好きな量買ったら、奥でご飯(100円 ・大盛り150円)やお味噌汁(100円)を買い、自分で丼をつくる「のっけ丼」の準備万端!


今回は、まぐろ、サーモン、びんちょうの3種類が4切れずつ入ったミックス(なんと210円!)と、おばちゃんに頼んで通常の半分の量を半額で買った甘えび(250円)を具材に選択。
大盛りのご飯に盛り付け、あたたかいお味噌汁とセットにした、自分だけの「のっけ丼」が完成!

自分で好きなものを好きな量を自分で盛る楽しさ、そして新鮮な海鮮をあたたかいご飯と食べる幸せ。旅はじめの1食目にしては、贅沢過ぎるご飯です。
自分で盛るのが面倒な人には、瓶詰めいくらを丸ごと1本使ういくら丼(1,500円 味噌汁付)がオススメ。
市場内の席に座って食べていたら、地元のおじいちゃんと相席に。
東京から旅行で来ました、と言ったら、元気いっぱいに八戸の話をしてくれました。が、半分くらい何を言っているかがわからない……。恐るべし、はづのへ(八戸)弁。
八戸の朝市に出かけたので1点、盛々ののっけ丼を食べたから1点、合計2ポイントGET!
陸奥湊駅前朝市
八戸の銭湯「双葉湯」で体をあっためる!
食べ終わった後もおじいちゃんと話をしていたら、八戸に戻る電車が駅に着いた3分前に出発してしまった…。次の電車はおよそ1時間後。待ちぼうけするのは体も冷える上に時間がもったいないので、銭湯へ行くことに。
八戸は、朝市とあわせて、早朝銭湯の文化が発達した町で、昔ながらの銭湯が、今も現役で朝早くから営業しています。陸奥湊駅から徒歩15分ほど歩いたところにあるのが、双葉湯。冬の東北の寒さで冷えた体をあたためます。浴室や湯船だけでなく、待合室も広く、夜行バスから朝市まで休みなく移動してきた疲れを癒すのにもってこい。

双葉湯で体をあたためたので、1ポイントGET!
双葉湯
八戸の中心街で、歴史探訪とB級グルメ昼食
銭湯で体をあたためることで上手いこと電車待ちの時間をつぶしたら、本八戸駅へ。駅から中心街に向かう道中には、源義経伝説のある龗(おがみ)神社や三八城(みやぎ)神社があるので、歴史探訪が好きな方は、義経ゆかりの地を巡るのも良いかも?

龗(おがみ)神社

三八城(みやぎ)神社
龗神社で義経夫人にあいさつして、三八城神社で義経に思いを馳せたので合計2ポイントGET!
八戸が誇るB級グルメ「せんべい汁」をいただく
本八戸駅から10分ほど歩くと、中心街に到着。観光案内所兼、地域交流施設である「八戸ポータルミュージアム はっち」で観光情報を集め、施設内のカフェ「たまに庵」で、昼食をとります。
ご当地グルメの祭典、B-1グランプリ発祥の地は、実はココ、八戸市。そんな八戸が誇るB級グルメが、南部煎餅をごぼうやネギと共に醤油ベースの鶏や豚の出汁で煮立てた、せんべい汁。身体の内側まで沁みる優しい味とあたたかさが、おつゆの染み込んだアルデンテなせんべいの食感と共に楽しめ、B-1グランプリ優勝も納得の料理。



歯打ちカラクリの技能に愉悦に浸り、せんべい汁がアルデンテな食感だと知ったので合計2ポイントGET!
たまに庵
夜行バスだからこそできる、朝からご当地グルメ満喫の旅in青森。
ここまででも十分に食べまくっていますが、青森食べ尽くし、おやつに地酒に〆に、まだまだ続きます!
編集長、今回は合計で何ポイントですか?
今回のバス旅の採点!by バスとりっぷ編集部
長旅&爆食・ご苦労様でした!初回から随分飛ばしてくれましたね!
9時間半を一度も起きずに過ごせたところに、バス旅覇者の余裕を感じますが、朝市ののっけ丼で盛々に盛っていると思いきや、ちゃっかり甘えびの量はちょうどいいあんばいに交渉するところに、食に対するこだわりを垣間見た気がしました。
今回の獲得ポイント
・高速バスで八戸駅に到着=3点
・八戸の朝市に出かける=1点
・盛々ののっけ丼を食べる=1点
・双葉湯で体をあたためる=1点
・三八城神社で義経に思いを馳せる=1点
・龗神社で義経夫人にもごあいさつ=1点
・歯打ちカラクリの技能に愉悦に浸る=1点
・せんべい汁がアルデンテな食感だと知る=1点
さらに、旅を満喫するアツい姿勢へのボーナスポイントとして、
・勇気を出して甘えびの量を交渉=1点
・はづのへ弁でおじいちゃんと交流=1点
今回のバス旅で計12ポイントGET!
豪華バスのご褒美まで、あと88ポイント
この後、青森市へ移動です。続きはこちらです!
味噌カレー牛乳ラーメン? ホタテって釣れるの? 夜行バス47都道府県巡りの旅【冬の東北・青森編】
※企画協力/ドラドナッツ
(松尾尚樹)