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雑節の「半夏生」とは 関西ではタコを食べる?!各地方の風習など解説


2025年7月1日は雑節の一つである「半夏生」。この日は伝統的に農作業を終える目安として、日本各地で様々な風習があります。関西では、田植えが成功し、稲がしっかり根付くことを願いタコを食べる風習があります。タコに含まれるタウリンは、夏の疲労回復にも効果的です。福井県の大野市では浜焼きさばが、奈良では小麦のお餅「半夏生餅」が食べられます。香川県ではうどんを食べる習慣があります。これらの風習は、それぞれ地域の歴史や農業との密接な関係から発生しました。また、「半夏生」という日には特定の植物ハンゲショウが花を咲かせ、葉が白く化粧をしたように見えることでも知られています。この時期は梅雨の最盛期に当たるため、「半夏雨」と呼ばれる大雨にも注意が必要です。

2025年7月1日は、雑節の「半夏生」です。半夏生は農作業の大切な節目。それにちなんで、関西はタコ、福井県ではさば、など各地方で様々な物を食べる習わしがあります。この記事では、半夏生の意味や各地方の風習、同じ名前をもつ植物についてなど詳しく解説します。


半夏生とは?

半夏生は、日本独自の暦である雑節のひとつです。

雑節とは、中国から伝わる二十四節気に加え、季節の変化をさらに細かく示す目印として作られたもので、節分や八十八夜、入梅などもそれにあたります。
雑節の中で唯一、半夏生は七十二候(※1)のひとつにもなっています。

半夏生は、例年7月2日が多いですが、1日程度ずれることがあり、2025年は7月1日です。
名前の由来は、“半夏”という薬草が生ずるころ。
“半夏”という薬草は、サトイモ科カラスビシャクの球茎(※2)の、コルク層と呼ばれる保護組織を取り除き、乾燥させたものです。現在も漢方薬の成分として広く使われています。

※1七十二候・・・二十四節気を3つに細分化したもので、自然現象や生物の行動を表すものが多くみられる。
※2球茎・・・球状に肥大した地下茎のこと。


半夏生は田植えを終える目安

半夏生にまつわることわざがあります。
「チュウ(夏至)ははずせ、ハンゲ(半夏生)は待つな」田植えは夏至の後、半夏生に入る前に終わらせるという意味です。昔、半夏生より後に田植えをすると、秋の収穫量が減ってしまうと考えられていました。
ほかにも、「ハンゲ(半夏生)の後に農なし」「半夏半作」という同じような意味の戒めの言葉があります。半夏生は、この日までに田植えを終わらせなければいけない、という農作業の大切な節目だったことがわかります。


半夏生にタコを食べるのはなぜ

田植えを終えて迎える半夏生。主に関西地方では、タコを食べる風習があります。

吸盤のついたタコの足のように、“植えた苗や稲がしっかりと大地に根付きますように”と願いを込めて、食べるようになったといわれています。
タコには、疲労回復に効くタウリンが豊富に含まれており、これから夏本番に向けて、疲れをためないよう取り入れていきたい食材でもありますね。

そのほか、地方によって様々な物を食べる風習が残っています。

〇奈良県:半夏生餅(はげっしょうもち)

奈良県では、半夏生餅です。
半夏生餅とは、つぶし小麦ともち米を混ぜてついた餅に、きな粉をまぶしたもので、いわゆる小麦のお餅です。奈良盆地では、半夏生の頃に小麦の収穫を終え、田植えも一段落することから、半夏生餅を作ってひと休みしていました。
田植えが無事に終わったことを田の神に感謝する行事、早苗饗(さなぶり)に食べられることから、さなぶり餅とも呼ばれています。

〇福井県大野市:半夏生さば

福井県大野市の周辺では、「半夏生さば」と呼ばれる浜焼きさばを食べます。
浜焼きさばは、取れたてのさばに串を差し、丸ごと焼き上げたもので、丸焼きさばや、ただ単に焼きさばとも言います。かつて昔、大野藩の殿様が、田植えで疲れた農民の体をねぎらい、夏バテ防止のために「丸焼きさば」を配ったことが始まりと伝えられています。
※大野藩…江戸時代、現在の福井県大野市を領地としていた藩

〇香川県:うどん

うどん県として有名な香川県では、日頃からよく食べられるものですが、半夏生の日を意識してうどんを食べる風習があります。
これは農家が、農作業を手伝ってくれた人に、その年収穫したばかりの小麦でうどんを打って振る舞い、ねぎらったことに由来しています。

参考:農林水産省HP
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/traditional-foods/index.html


半分、化粧する『半夏生』

半夏生の頃、左の写真のような、印象的な植物を目にしたことはありませんか?
ハンゲショウという名前のドクダミ科の植物です。

前述したように、半夏生の名前の由来である薬草の“半夏”は、サトイモ科のカラスビシャクを用いたものなので、植物としてはまったくの別物です。

ハンゲショウの特徴は葉っぱで、花が咲くころになると、青々とした葉が白く変化していきます。繁殖力が旺盛で育てやすい植物のため、日当たりの良い場所で、水を切らさないようにすれば、初心者でも楽しむことができます。

ハンゲショウの名前の由来は、諸説あります。
雑節の半夏生の頃に花を咲かせるので『半夏生』となった説や、葉が半分白く化粧をしたように見えることから『半化粧』となった説もあります。
ハンゲショウの花言葉は、「内に秘めた情熱」「内気」など。葉が白くなる様子から連想されたものがあるようです。


半夏生の頃の注意点

半夏生を過ぎると、例年、梅雨の最盛期を迎える地域が多く、時には災害につながるような雨の降り方をします。
西日本では、半夏生の頃の大雨を「半夏雨(はんげあめ)」といい、そのときの洪水を「半夏水(はんげみず)」と呼んでいます。大雨の際は、田植えを終えた田んぼの様子が心配ですが、くれぐれも慎重に。
また、一段と蒸し暑さが増す時期ですので、日頃から栄養のある食事や睡眠をしっかりとることを心がけましょう。

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