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【動画あり】日本への影響は?エルニーニョ現象・ラニーニャ現象のメカニズムを徹底解説


時々天気予報などで、目や耳にする機会のある「エルニーニョ現象」と「ラニーニャ現象」という言葉ですが、それぞれどういった現象なのかよくわからないという方も多いのではないでしょうか?
そこで「エルニーニョ現象」と「ラニーニャ現象」について、そのメカニズムと日本への影響を詳しく解説していきます。


そもそも天気ではなく海の現象?

エルニーニョ現象とラニーニャ現象は、天気予報でも耳にする言葉なので、天気の現象と思っている方もいるかも知れません。しかしこれらは海で起こる現象で、しかも日本から遠く離れた太平洋の赤道付近で起こる現象なのです。具体的には、「海面の水温が変化する」現象のことを指します。

エルニーニョ現象とラニーニャ現象は常に起こっている現象ではなく、エルニーニョ現象が起こっている時、ラニーニャ現象が起こっている時、そのどちらも起こっていない通常の状態があります。まず、その3パターンについて、海の上でどのようなことが起きているのか説明していきます。


通常の状態の海の様子

まずパターン1、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も起こっていない通常の状態では、太平洋の赤道付近では「貿易風」という東風が常に吹いています。通常この貿易風によって、海面付近の暖かい海水が西側のインドネシア付近に吹き寄せられ、反対の東側、南米の海上では、海の深い所から冷たい海水が沸き上がってきています。

海は深さによって水温が変わります。海の上の方の海水面は太陽からの日射や空気の温度を受けて暖かく、それらが届きにくい海の深い所には冷たい水があります。そして、貿易風によって海水面の暖かい水が風で押し流されると、その空いた場所に冷たい水が沸き上がってくるのです。


エルニーニョ現象発生のメカニズム

次はパターン2、エルニーニョ現象が発生する時は、貿易風が何らかの原因で弱まると、普段は西側に押し流されていた暖かい海水が東側に広がります。更に、東側で湧き上がっていた冷たい海水の湧き上がりが弱まり、南米沖の海水温が通常より高くなります。
このようなメカニズムで、太平洋赤道域の日付変更線から南米沖にかけて、海面水温が通常より高くなりその状態が1年以上続く現象をエルニーニョ現象と呼びます。

海面水温が高い所では、大気中に雲のもとになる水蒸気がたくさん供給されるため、積乱雲が多く発生します。エルニーニョ現象は海の現象ですが、こうして海が天気に影響を及ぼしていきます。


ラニーニャ現象発生のメカニズム

最後にパターン3、ラニーニャ現象が発生する時は、貿易風がやはり何らかの原因で強まり、海の温度の様子を変えていきます。東風が強まると、暖かい海水が西側に吹き寄せられる力が強まって、暖かい海水が暑い層になって西側に溜まります。東側では、冷たい水の沸き上がりが通常より強くなります。
その結果、太平洋赤道域の日付変更線から南米沖にかけて、海面水温が通常より低くなりその状態が1年以上続く現象をラニーニャ現現象と呼びます。

この場合でも海水温が高い所では、たくさんの積乱雲が発生するので、エルニーニョ現象の時とは異なり、今度はインドネシア近海の海上で雨が多くなります。


エルニーニョ現象・ラニーニャ現象の日本への影響は?

海の現象である、エルニーニョ現象とラニーニャ現象ですが、気象にも影響を及ぼします。

一般的に、エルニーニョ現象が発生している時、日本では、夏は気温が低く・日照時間が少なくなる傾向があり、冬は気温が高くなる傾向があります。つまり冷夏・暖冬になりやすいという事です。
また、ラニーニャ現象が発生すると、日本付近では夏は気温が高くなり、冬は気温が低くなる傾向があります。少々耳慣れない言葉ですが、暑夏と寒冬になりやすいという事です。

しかし、遠く赤道付近で起こった海の現象が気象にも関係して、はるばると日本にまで影響を及ぼすので、その伝わり方もゆっくりで、更に様々な気象の影響も受けながやってくるので、これらの日本への影響はあくまでも傾向であり、例えば、エルニーニョ現象が発生しているので必ず日本は冷夏・暖冬になるという事ではないという事もぜひ知っておいてください。


動画解説:安齊 理沙、工藤 佳奈子

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