2023年のGWは最大9連休になるということもあり、全国各地の名山を登るチャンスです。ただ人気の高い山ほど混雑しやすく、山によってはせっかくの風景もゆっくりと楽しめないこともあります。そうならないために重要なのは、しっかりと計画を立てることです。
また、GWならではのトラブルもあり、安全に楽しむためにはある程度の知識も必要になります。そこで今回はGWの登山を安全かつ快適に楽しむための注意点について、わかりやすく解説していきます。これから計画を立てるという人は、ぜひ参考にしてください。
人気が高い山は避けること
GWはどの山も登山客が増えて、人気が高い山は風景を楽しむどころか、どちらを向いても人だらけで、自分のペースで歩くことも難しい状態になります。これでは登山の魅力が薄れてしまいますので、GWはできるだけ混雑が予想される人気の山は外しましょう。
GWに混雑しやすい山の条件を見ていきましょう。
・電車で登山口付近までアクセスできる山
・アクセスしやすい日本百名山
・都心から日帰り登山が可能な山
・難易度が低い山
・施設が充実している山
たとえば高尾山は日本百名山ではないものの、ミシュランガイドに掲載されたことで知名度が上がり、しかも上記条件をほとんど満たしています。このような山は自然を楽しむ余裕がないほど混雑する可能性があります。GWに快適な登山をしたいのであれば、この条件に該当しない山を選びましょう。
都心から離れた場所にあり、なおかつ車でしかアクセスできないような2000m級の山であれば、ケーブルカーなどの施設が充実している山や日本百名山でもないかぎり、そこまで混雑することはありません。人気が低くても絶景が待っている山はいくつもありますので、しっかり情報収集を行って登山する山を決めましょう。
車でアクセスする場合には早めに家を出る
GWの登山をするときに気をつけなくてはいけないのは、山道の混雑だけではありません。一般道や高速道路も渋滞しやすく、さらには山の駐車場も混みやすく、小さな駐車場だとすぐに満車になってしまいます。
せっかく駐車場まで行ったのに、車を停められなくて登山を諦めるというのでは残念ですよね。それを回避するためには、できるだけ早く自宅を出発するのがポイントです。まだ暗いうちに家を出て、駐車場に到着するくらいに明るくなるのが理想です。
早朝から登山を開始できることで登山道の混雑を回避できますし、何よりも朝の澄んだ空気の中を歩けるので、遠くまで見通せるといったメリットもあります。さらに天候が変わりやすい午後には下山しているので、登山中のリスクも下がります。
そして何よりも、帰り道の渋滞にも巻き込まれにくいので、早い時間帯に帰宅できます。メリットしかありませんので、GWはいつもよりも早い時間に家を出るようにしましょう。
標高が高い山は雪が残っているので気をつける
難易度が低い山ほど混雑するため、2000m級の山がおすすめとお伝えしましたが、地域によってはまだ雪が残っている可能性があります。日本アルプスや東北、北海道などの山を登る場合には、必ず事前に残雪を確認しましょう。
残雪の確認方法としておすすめなのは、Twitterで山頂付近の写真を確認することです。たとえばTwitterの検索で「白馬山」と入力すれば、最新の投稿を見ることができるので、雪がどれくらい残っているかがすぐにわかります。
もちろん雪が残っているからといって、登山を断念する必要はありません。アイゼンなどをしっかりと準備しておけば、むしろ雪山登山を楽しむことができるので、ぜひ雪山登山の経験者と一緒に挑戦してみましょう。
ただし、山によっては雪崩のリスクもありますので、安易に雪山に入るのはNGです。GWとはいえ遭難リスクもありますので、自分で安全性を確認できないという場合には、雪のない山を選んで登りましょう。
無理に山頂を目指さず引き返すことも選択肢に入れておこう
登頂は山登りの醍醐味のひとつですが、絶対にしなくてはいけないことではありません。むしろ、悪天候になるリスクがあると感じたときや同行者にトラブルが発生したときなどは、途中で引き返すといった判断を求められます。
無理に山頂を目指したことで、日が落ちてからの下山になり、遭難やケガのリスクが高まることも考えられます。
・登山中に誰かがケガをした
・天候が急に悪化した
・登山に必要な装備がない
・計画よりも遅れている
このような場合には、山頂を目指すのではなく迷わず折り返して下山しましょう。むしろ、最初から「条件が揃ったら山頂を目指す」くらいのスタンスで計画を立てておき、少しでもリスクが高まったらすぐに下山すると決めておいてください。
「あと少しで山頂」というときに、前に進まないのはとてももったいなく感じますが、山は逃げることはありません。また登山計画を立てればいいことですので、できるかぎりリスクを負わずに登山を楽しみましょう。