巷には彩様々なスイーツがたくさんあります。その中でも、和菓子には、日本の四季折々の風土や情緒が込められているものがたくさんあります。今回フォーカスするのは東海・近畿地方の和菓子。贈答用にはもちろんですが、ご自身で楽しんでみても。季節や地域に思いを馳せながら、味わいの旅をしてみるのはいかがでしょうか?
☆丁葛 くずゆ 桂花園
静岡県掛川市の銘菓です。掛川は古くは城下町として栄えた場所です。お茶所でも有名ですが、葛の生産も古くから行われており、地元の人が「カップ」と呼ぶ葛布は渋みのある、落ち着いた輝きを持つ美しい布です。身近で馴染みのある葛が「くずゆ」という銘菓となりました。ホッと体を温めてくれ、また優しい口当たりで心もほぐれる葛湯。風邪を引いた際に作ってもらって飲んだことがある人もいるのではないでしょうか。こちらではお茶所らしいくず茶やしょうが葛湯、ゆず葛湯などの味のバリエーションもあります。夏場には濃いめに作り、冷やして食べる人も多いそうです。
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掛川観光情報
☆えびせんべい 丸源えびせんべい
愛知県西尾市の銘菓です。創業は大正8(1919)年、遠浅で穏やかな波、海水浴でも人気の一色海岸が近く、海の恩恵をたくさんに受けた銘菓といえるのではないでしょうか。原材料のほとんどがエビと馬鈴薯澱粉。製品のバリエーションはエビの含有量で分けられているそうです。食べ比べて、好みを見つけてみるのも面白いかもしれませんね。パリッとした歯応えが小気味良く、エビの風味が口いっぱいに広がります。
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☆安永餅 安永餅本舗 柏屋
三重県桑名市の銘菓です。古くは松平定信がもち米の作付けを推奨したことから、その加工品として製造されるようになったと一説では言われています。このあたりの地域では、牛の舌のような細長い形状をした餅菓子がいくつかあり、お伊勢参りや東海道を旅する人々の英気となり、愛されてきました。あんこを包んだ餅を焼きあげているため食べ応えがあり、焼いたお餅の香ばしさが口に広がります。保存料が使われておらず、昔ながらの味わいに出会えます。そのままでももちろん美味しいのですが、食べる前にトースターで軽く焼くと、出来立てのような柔らかさとパリッとした食感を楽しめます。ぜひ試してみてくださいね。
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三重県菓子工業組合 SweetsPlaza
☆那智黒 那智黒総本舗
和歌山県の太地町の銘菓です。世界遺産になった「紀伊山地の霊場と参詣道」に含まれる、熊野修験者の寒行が行われている那智の滝が全国的に知られている地域。那智黒は、伝統製法を守って、黒砂糖を練り上げて作る黒あめのことです。熊野市の名産品のひとつ、碁石の原材料である那智黒石を象ったころんとした形で、濃厚でいて軽い不思議な味わい。ついつい手が伸びる美味しさです。丸缶のパッケージもノスタルジックで可愛らしいですよ。
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旅行せずとも旅気分が味わえるのは「食」の良いところでは。ぜひ思いを馳せて、いただきましょう♪
参考
太陽の地図帖22 郷土菓子/平凡社