暖かくなり登山のシーズンがやってきました。今年のゴールデンウィーク(GW)は最大10連休となるため、すでに登山の計画を立てている方もいるのではないでしょうか。今回は春におすすめの低山と天気についてお話しします。
※新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で外出の自粛を呼び掛けている自治体がある場合は、各自治体の指示に従いましょう。
春山は低山登山におすすめの時期!
冬の間はなかなか行けなかった登山。春になり暖かくなってきて登山を再開する方も多いかと思います。GW期間の天気予報も確認できる時期になり、すでに登山計画をされている方もいるのではないでしょうか。夏になると低山はとても暑くなり登りづらくなってしまうので、低山登山はこの時期がおすすめです。
春山の天候と注意点
GWはアウトドアを楽しむ方が多くなりますが、天気や山岳環境には注意が必要です。春の天候を知り、安全な登山を心がけましょう。
■低気圧
春は低気圧が周期的に現れますが、GWの時期になると「メイストーム(春の嵐)」と呼ばれる、低気圧の急速な発達により荒天となる現象が発生することがあります。暴風雨をもたらすため、登山を予定している数日前から天気予報やtenki.jp登山アプリ等で、天気の確認を行いましょう。高い山では暴風雪となる可能性が高く、登山はおすすめできません。中心から離れている場合も強い風が吹くので、広い範囲で注意が必要です。
■気温
山は涼しいイメージがありますが、日中の低山は意外と暑いです。体が暑さに慣れていない時期でもあるので、水分補給や休息はしっかりと取りましょう。マスクを着けたままだと息苦しく熱中症の恐れもあるため、人と十分な距離が取れる場合はマスクを外したほうが良いでしょう。日帰りではなく山小屋泊やテント泊を予定されている場合、朝晩は冷えますので、羽織ものを忘れずに持っていきましょう。
■残雪
今年は4月にもかかわらず、まるで初夏のような陽気の日もありました。低山では雪も解けて新緑が美しい季節になりましたが、写真のように高山や北日本の山ではまだ雪が残っています。雪があるコースでは難易度や装備が異なるため、事前にルートの情報を確認しておきましょう。tenki.jp登山天気アプリではYAMAPの活動日記と連動しており、実際に登山をした人の日記や写真が見ることができるため、事前の確認におすすめです。
■雪崩
昨年のGW期間中に北アルプス・穂高連峰の涸沢、中央アルプスの千畳敷では、雪崩が発生しました。今年も4月に連峰の赤岳で雪崩が発生し、死亡事故が起こっています。この時期は暖かくなり降水も増えるため、自動車並みのスピードで斜面に積もった雪が全て滑り落ちる「全層雪崩」が起きやすくなります。登山の際は雪崩に十分注意するようにしましょう。
おすすめ低山
初心者の方もチャレンジしやすく、公共交通機関でアクセスしやすい、春におすすめの低山をピックアップしました。登山の魅力のひとつである茶屋も併せてご紹介します。
■筑波山(877m)
茨城県に位置する筑波山は、ケーブルカーやロープウェイがあり、初心者でも安心して登山ができます。以前春に訪れた際は、とてもきれいな新緑が臨めました。ケーブルカー終着駅ではお店もあるので、クッカーなどの調理器具を持っていなくても暖かい食事がいただけます。ケーブルカーやロープウェイには軽装の方も見られますが、山道を歩く場合はしっかりとした装備で挑みましょう。
■陣馬山(855m)
神奈川県と東京都との県境にそびえる陣馬山は、歩きやすいコースで初心者にもおすすめです。頂上は眺望もよく、茶屋をはじめ、飲食できるスペースやひときわ目立つ馬のオブジェがあります。
また、陣馬山だけのコースのほかに、景信山や高尾山まで足を延ばす「裏高尾縦走」コースがあります。標準のコースタイムがおよそ7時間と長いため、時間に余裕をもつ必要がありますが、比較的アップダウンも少ないので、長いコースを歩いてみたいという方にはおすすめです。景信山にはいくつか茶屋があるので、是非立ち寄ってみてはいかがでしょうか。自然のなかで食べる山菜の天ぷらは最高です。
■金時山(1,212m)
箱根外輪山の北側に位置する金時山は1,212mと上記2つの山よりも標高が高くはありますが、標準のコースタイムはおよそ3時間です。山頂では360度とても綺麗な景色を見渡すことができ、茶屋では食事が楽しめます。
今回ご紹介した山は低山ではありますが、装備はしっかりと整えて挑みましょう。
また、前日までの雨で足場がぬかるんでいる場合や、増水などで普段通れる橋が通れない場合がありますので、登山に行く前はtenki.jp登山アプリやその他天気予報を見て、当日までの天気を気にかけることも必要です。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、なかなか登山に行けていなかった方も多いかと思います。登山の前に、久しぶりに使う道具が劣化していないかを必ず確認し、安全に登山を楽しみましょう。