年末・年始がそろそろ照準に入ってきました。街を歩くと、ふとクリスマス・ミュージックを耳にするようになりましたね。
そして、スーパーの食料品売り場などにはカニが並びはじめます。多くの人がカニの旬は冬と思っているかもしれませんが、実はカニにはさまざまな種類が存在し、旬も味わい方も異なります。カニをいただく機会が増えるシーズンを前に、カニについて理解しておきましょう。
カニってどんな生き物なの?
海水だけでなく、淡水に棲むカニもいます。全世界でみると、その種類は5000種以上ともいわれていますが、海を隔てた上海では、今、上海蟹がシーズンを迎えています。ねっとりとした白子が最高の11月の雄の上海蟹は最高ですよね。
そして国内に目を向けて見ると、食用として日本の市場で出まわっているのは主に4種類。
それはズワイガニ、毛ガニ、タラバガニ、花咲ガニです。
では早速、それぞれの旬と特徴についてご紹介しましょう。
カニと言えばコレ!四大カニを押さえよう
ズワイガニ
旬:11~3月
一般的にズワイガニとは「本ズワイガニ」を指します。山陰の日本海側で獲れたズワイガニを「松葉ガニ」、福井県で獲れたズワイガニを「越前ガニ」と呼ぶなど、水揚げ場所によって呼び名や品質が変わります。いずれにしても肉質は上品で甘味があり、濃厚なカニ味噌が特徴です。
市場には「紅ズワイガニ」と呼ばれる種類も出まわっています。紅ズワイガニは、本ズワイガニより深い水深に生息している深海性のカニで、本ズワイガニより身が細く、味も淡白なため価格も安く提供されます。「ズワイガニ」と表示されて売られていたとしても、実は「紅ズワイガニ」ということも。味も価格も異なりますので、しっかり見て購入してくださいね。
◎おすすめの食べ方
ボイル、カニ鍋、カニしゃぶ、刺身、天ぷらなど
毛ガニ
旬:12~2月
その名の通り、体全体に短く硬い毛が生えている毛ガニ。毛ガニといえば北海道のイメージが強いですが、岩手県を中心とした三陸産も有名です。身は詰まっていて甘みが強く、とくに濃厚なカニ味噌が人気です。
◎おすすめの食べ方
丸ごとボイル、炊き込みご飯、グラタンなど。
タラバガニ
旬:4~5月、9~10月
名前に「カニ」が付いていますが、タラバガニはヤドカリの仲間です。日本に流通するタラバガニの9割は輸入物ですが、残りは北海道産で漁期は1~5月と9、10月です。春に獲れるタラバガニは甘みが強く、冬のタラバガニは殻が完全に硬くなる時期で「硬ガニ」と呼ばれ、身もしっかり詰まった状態となります。
いずれにしても、他のカニと比べ大きく食べ応えがあり、引きしまったプリプリとした食感がタラバガニの特徴と言えます。
◎おすすめの食べ方
ボイル、カニ鍋、バター焼きなど。
花咲ガニ
旬:7~9月
ゆでると花が咲いたように真っ赤になることが名前の由来。タラバガニと同様、ヤドカリの仲間です。北海道根室市でしか水揚げされない大変貴重なカニです。身もカニ味噌も濃厚で油分が多く、エビのような香りがクセになります。
◎おすすめの食べ方
ボイル、焼きガニなど。
―― 大勢でカニをたべに行くと、みな無口になる……と言われますが、そんな風に揶揄されたとしても、食べたい美味しさですね。
今回は、日本の市場に出まわっているカニをご紹介しましたが、カニの種類と特徴はわかりましたか?
カニはエビ同様、高タンパク・低脂肪のヘルシーな食材です。高価な食材ですが、ぜひ旬のおいしいカニを、気の合う人たちのワイワイ楽しみながら、味わいましょう。