朝夕が冷え込み、体調を崩しやすい季節になりましたが、みなさん風邪をひいていませんか? 日本リサーチセンターの「風邪に関する調査」では、全国15歳〜79歳の日本人は年間で平均1.4回風邪をひいているという結果がでています。つまり、年に1回は風邪をひいていることになりますね。
さて、愛犬と一緒に暮らしている飼い主さんは、愛犬がくしゃみや咳をすると、「もしかして風邪かな?」と不安や疑問に思うことはありませんか? そこで今回は「犬も風邪をひくって本当?」についてご説明しましょう。
※参考「風邪に関する調査」(2017年1月調査結果)日本リサーチセンター
そもそも、犬は風邪をひくの?
犬も人と同じように体調に変化があると、「熱が出る、咳をする、鼻水がでる、くしゃみをする、ぶるぶる震える」などの風邪と似たような症状が出ます。しかし、犬にとって「風邪」という病名はありません。
犬の風邪と似た疾患は、一般的に「呼吸器疾患」と呼びます。
また、別名で「ケンネルコフ」や「伝染性気管支炎」と呼ばれることも。
これらの疾患は、ウィルスや細菌感染によってかかるとされ、症状は熱が出たり短い咳をするなど風邪の症状と似ているため、「犬風邪」と呼ばれています。よって「犬の風邪=ケンネルコフ=伝染性気管支炎」と考えてよいでしょう。
ケンネルコフって?
「ケンネルコフ」の主な症状は、繰り返す咳です。微熱が出ることも症状のひとつですが、数日で咳が収まれば問題はありません。しかし、混合感染を起こすと高熱が出て、肺炎へと移行することも……。原因はウイルスや細菌、マイコプラズマ属菌などで、感染犬のくしゃみや咳で広がっていきます。
そのため、ワクチン接種による予防と、飼育環境を衛生的に保つことが大切になってきます。症状が見てとれた場合は、気管支拡張剤や咳止めの呼吸器系の対症療法が行われます。マイコプラズマや細菌の場合は、効果的な抗菌薬で治療が可能です。
※参考『愛犬の病気百科』愛犬の友編集部(誠文堂新光社)
3つのケンネルコフの予防対策
愛犬がケンネルコフにならないよう、普段から飼い主さんが気をつけてあげたいものですが、では、具体的にどう予防すればいいのでしょうか?
●その1/混合ワクチンを接種●
ケンネルコフの要因のひとつである「パラインフルエンザウイルス」や、「ジステンパーウイルス」、「犬アデノウイルス2型」は、混合ワクチン接種で予防できる、できない……と説は分かれますが、ほかの病気からワンちゃんを守るためのひとつの選択肢といえます。
●その2/飼育環境を衛生的に保つ●
ワンちゃんたちが毎日暮らす場所である犬小屋やケージ、ベッドなどを常に清潔にして、居心地のよい快適な飼育環境を整えてあげましょう! とくに寒い時期は、ウイルスが活性化しやすいので、清潔にして保温や保湿をこころがけてください。
●その3/咳が長引くようであれば病院へ●
咳が止まらないようなら、早めに動物病院にかかりましょう。1~2週間すぎると、ケンネルコフならより咳が激しくなる可能性もあります。
── 寒い時期、愛犬が「ケンネルコフ」にかからないよう、気をつけたいものですし、飼い主さん自身も風邪にかからないよう、気をつけてくださいね!
飼い主さんの健康は愛犬の健康に大変影響しまので、少しでも体調がおかしいなと思ったときは、無理をせずしっかり療養して、愛犬とともに元気に冬を乗り切りましょう♪