公園などへ出かけると、木々の青々と茂る様子が夏を感じさせる時期となり、気温が高い日もありますが、カラッとした晴れ間が見られる日はとても爽やかに過ごせますね。さて、今日は百人一首の日。昔は小中学校などで暗記を中心に百人一首と触れる機会が多かったように思う百人一首ですが、近年では、コミックや映画の影響もあり、競技かるた人口が急増しているのだそうです。恋心や季節に思いを重ねた歌が多い百人一首ですが、その当時の歌人が、時代を超えて現代の若者がその歌に感じ入り、競技に熱中する様を見たとしたらば、どのように思うのでしょうか。さて、今回は百人一首の日が制定された由来や競技かるたのエピソードについて簡単にご紹介いたします。
京都にある小倉荘の襖絵として飾られた百人一首
百人一首の日とは、歌人・藤原定家の日記「明月記」の1235年5月27日に「親しい友人である宇都宮頼綱に依頼されて和歌を選出し色紙にその歌を書き写したものが、京都の小倉荘の襖絵として飾られた」等の内容が記され、これが百人一首の誕生であり、由来となって記念日が制定されました。また、藤原定家が歌を書写した色紙は小倉色紙と呼ばれ、茶道が盛んになった時代には茶室にその色紙を飾ることがひとつのステイタスとされ、非常に価値の高いものとして扱われたそうです。この小倉色紙が、後に「小倉百人一首」と呼ばれ、歌かるたとしても世に出されたことから一般大衆にも広く知られることとなりました。
坊主めくりや散らしかるたがお馴染みの百人一首
小倉百人一首のかるたは、散らした取り札を囲って座り、読み手に読まれた札を一番多くとった人が勝ちというルールの「散らしかるた」や、読み札100枚を重ねて裏返し、一人ずつ順番に読み札をめくり、めくった札に描かれている人物が女性・男性・坊主のいづれかによって、それぞれの手持ち札が増えたり取られたりする、歌を知らなくても遊べる「坊主めくり」や、公式の統一ルールに基づいて行われる「競技かるた」などが有名で、老若男女多くの人が楽しめます。特に、近年ではコミック「ちはやふる」やその実写化映画の影響もあり、競技かるた人口が急増しているのだそうです。
リアル「ちはやふる」は40年経った今、約7倍の参加校に
百人一首に選ばれた一首の歌人でもある天智天皇をまつり、その古都とも言われる近江神宮(またその周辺施設にて)では、毎年様々な競技かるた大会が行われています。この夏にもリアル「ちはやふる」と言われる全国高等学校小倉百人一首かるた選手権大会の第40回が行われる予定で、開催当初は僅か8校だった参加校が、今年は57校の参加があり、個人戦応募者数は1600名を超え、賑わいを見せています。コミックや映画を見た若者たちが、競技そのものへの情熱はもちろんですが、百人一首に読まれた歌の背景や思いに心が動かされたり、魅力を感じるからこその人気なのではないでしょうか。若者たちの競技かるた、百人一首をめぐる青春にも是非ご注目ください!