9月の声を聞いた途端、気温が下がり秋の訪れを一気にそこかしこで感じている日本列島です。そして今日、9月2日は「靴の日」。銀座に本店を構える某シューズショップが、9→く、2→つと語呂合わせをして1992年に制定されたそうです。他にも3月15日なども靴に日として制定されていますが、おしゃれ本番の季節・秋の「靴の日」はより靴について色々考えたくなりますね。
いい靴を履いているといい場所に行ける…
筆者は以前、靴店に勤めていたことがあるのですが、その時、ある人から印象的な一言を言われました。「いい靴はいい場所へ連れて行ってくれる」というもの。決して高級品でなくとも、自分の足にぴったりと合い履きやすく、デザインも気に入っている、その人にとって「いい靴」を履きなさい…ということでした。以前から靴好きだった筆者は、とても納得してしまったのを覚えています。自分の足に合った靴を履いていると楽しく、足取りも軽やかになり、どこまでも歩けそうな気分になりますね。
全身の中で靴が占める面積は少ないものですが、「おしゃれは足元から」とよく言われますね。コーディネイトは靴で決まると言っても過言ではありません。見た目だけではなく、身体全体を支える靴はとても大事な存在だからでしょうか。
この秋は、お気に入りの一足を見つけて、素敵な場所にお出かけしてみませんか。
やはり、つい考えてしまいす「靴」が印象的な映画たち
靴にも映画にも目がない筆者。「キンキーブーツ」「イン・ハー・シューズ」など靴そのものを題材にした映画も好きですが、靴が効果的な小道具として登場する映画も印象に残ります。
まずは「ダイ・ハード」(1989年公開)。言わずと知れた、ブルース・ウィリスが、主人公のNY市警マクレーン刑事を演じるアクション超大作です。妻の勤めるLAの会社で開催されるクリスマスパーティに向かう為飛行機に乗り込むマクレーン刑事。飛行機が大の苦手で落ち着きのない彼に、隣に乗り合わせた乗客が靴を脱いでリラックスすると良いよ、とアドバイス。妻の会社に着いた後も控え室で靴を脱いでリラックスしていると…何気なく裸足になっていたことが後に、命取りになることに。舞台のハイテク高層ビルはいたるところが工事中で、マクレーン刑事が裸足であることを知った犯人グループのリーダーは、部下たちにガラスを粉々に割れ、と命じ、彼を窮地に追い込むのです。ガラスや金属などが至るところにあふれている現代社会。太古の昔、人類は裸足で野山を駆け回っていましたが、現代では、屋外屋内に限らず靴なしで歩く事は考えられませんね。靴そのものが出てくるわけではないのですが、靴なし・裸足で歩く事がどんなに無防備なのかを表現することにより、映画を観終わった後、「靴の存在」が心に残った一本でした。
他にも筆者が靴と言って思い出す一本は、アカデミー賞受賞作品「羊たちの沈黙」の続編、「ハンニバル」(2001年公開)です。前作「羊たちの沈黙」で主人公の女性FBI捜査官・クラリスに助言を与える連続殺人鬼のハンニバル・レクター博士の逃亡劇をを描いたのが続編「ハンニバル」です。大ヒットシリーズなのでご覧になった方も多いと思います。チラッと靴が出てきたのを覚えているでしょうか。レクター博士が、クラリス捜査官にイタリアの高級ブランド・GUCCIのカクテルドレスと靴をプレゼントするのです。洋服を贈るだけならあまり印象に残らないと思うのですが、男性が女性に靴を贈る事は特別感が漂います。相思相愛の中ならお互いの靴のサイズは把握しているかもしれません。でも犯人と捜査官は、もちろん相思相愛ではないので、ここでレクター博士のクラリス捜査官に対する一方的な恋心が感じられます。彼女の靴のサイズまで調べ上げている執着心を感じ取り、観客たちはぞっとするのではないでしょうか。この作品では、靴という特別な小道具で恐怖を演出していたのではないでしょうか。
お気に入りの靴を履いて、この秋話題の映画を観に行きたくなってきました!