夏まっさかり。全国各地で夏祭りが開催されていますが、夏には暑い国や地域のを発祥とする音楽が似合います。
その「暑い音楽」の代表格レゲエは、ご存じの通りジャマイカで生まれた音楽です。
レゲエは、日本でもすっかりおなじみの音楽ですが、日本での夏の洋楽の売り上げはレゲエが半分くらいになるそうですし、日本のレゲエバンドも多く活躍しています。
でも、そのルーツはあまり知られていないかもしれません。そこで今回はレゲエのルーツを探ってみることにしましょう。
レゲエのルーツとボブ・マーリー
レゲエのルーツは、カリブ海の大衆音楽だった「メント」や「カリプソ」にあります。
これがアメリカからジャマイカに入ってきたドゥーワップ、ソウルなどの黒人音楽に影響され、スカ~ロックステディ、ブルービートと呼ばれるダンスミュージックに変化しました。
1960年代の終わりから1970年代はじめに、スカなどは音楽のスピードやバンドのフォーマットが変化します。それがレゲエです。
レゲエの「ンチャ、ンチャ」というリズムは「メント」にその原型があるようです。
一挙に世界的な存在になったボブ・マーリーとレゲエ
現在では東南アジアやアフリカでもレゲエは盛んに演奏されますし、その土地の音楽と融合して新しいジャンルができることもあります。レゲエは変形しながらも、世界中で新しいステップを生み続けているのです。
ローカルなダンス音楽だったレゲエが世界的な音楽に変貌したことについては、「キング・オブ・レゲエ」ボブ・マーリー(1945年生まれ)の存在抜きには語れません。「アイ・ショット・ザ・シェリフ」をエリック・クラプトンがカバーして大ヒットするなどして、ボブ・マーリーとレゲエは一挙に世界的な存在になったのです。レゲエは世界中のポピュラー音楽に影響を与えました。
レゲエの宗教「ラスタファリアニズム」
レゲエは、さまざまな側面をもっていますが、その一つがジャマイカの新興宗教の一種である「ラスタファリアニズム」です。
これは、旧約聖書ないしはユダヤ教の一変種といったもので、エチオピアの大統領だったハイレ・セラシエ(ラスタという言葉はセラシエの幼名「ラス・タファリ」からきています)を「ジャー」として崇拝する、新しい宗教運動です。
アフリカから奴隷として連れられてきたカリブ海の黒人は、今は苦しんでいるが「ジャー」を信じていれば、いつの日かアフリカに帰還し救済される……、といった教義をもっています。
レゲエはこの宗教運動の広がりと強い関係を持っていて、ボブ・マーリーにもこれをテーマにした曲が多くありますし、ジャマイカではまだ多くの人が信仰しています。
このような宗教的・政治的な側面もありますし、必ずしもハッピーな曲ばかりでもありませんが、レゲエのリズムには人を鼓舞する力が存在するのは確かだと思います。
夏バテ、食欲不振の方も、元気が出るレゲエを聴いて夏を乗り切りましょう!