気温が30度を超えるエリアも続出し、全国的に夏らしい暑さを感じるようになってきた今日この頃。そんな外の気温に負けじと、最近話題になっているのが「競技かるた」です。さらに、今日5月27日は「百人一首の日」に制定されています。『小倉百人一首』が完成したのは13世紀といわれていますが、21世紀のこの時代にも、日本の文化のひとつとして存在し続けているのはすごいことですよね、今も「かるた」として愛され続ける百人一首、そして競技かるたの魅力に迫ります。
百人一首の歴史
1235年5月27日、藤原定家によって『小倉百人一首』が完成されたといわれています。藤原定家の『明月記』の中に、そのくだりが記されているのですが、それは定家は親友からの頼みで、書写した和歌百首を障子に貼り付けたといわれるもの。その場所が嵯峨の小倉山荘だったことから、『小倉百人一首』という名が定着したそうです。
このように、障子に書写したものを貼り付けたものが百人一首の始まりということですが、今の「かるた」の形になったのはいつのことなのでしょうか? 実は、かるたの形になったのは16世紀頃といわれています。しかも、ポルトガルから伝わったものだというから意外ですね。さらには、江戸時代に入ってから賭博的な要素が入ってきたようです。
話題の「競技かるた」とは?
最近、マンガや映画で話題となっている「競技かるた」。
文化系の部活と思いきや、意外とスポ根的な要素もあることにも注目が集まりました。
現在の競技かるたのルールは、1904年に「東京かるた会」によって制定されたといいます。そんな競技かるたのルールを簡単にご紹介します。
【基本ルール】
■ 使用するのは100枚のうち50枚
■ 1対1で競う
■ それぞれ自陣に25枚を並べる
■ 読み手が上の句を読み、選手は下の句を見つけて札を取る
■ 敵陣の札を取ったら、自陣の札を1枚敵陣に渡す
■ 自陣の札が先に0枚になったほうが勝ち
主なルールはこのようなものです。読まれない句もありますので、上の句、下の句をどれだけ覚えているかがポイントになりますね。
また、驚くことに競技かるたには審判はいません。どちらが先に札を取ったかは話し合いで決められるのだとか。こちらの攻防戦も緊迫感がありますね。
かるたの聖地「近江神宮」
高校野球の聖地が甲子園、ラグビーの聖地が花園といったように、かるたにも聖地と呼ばれる場所があります。それが「近江神宮」です。近江神宮の御祭神である天智天皇は、『小倉百人一首』の巻頭に、以下の歌を残しました。
〈秋の田のかりほの庵のとまをあらみわが衣手は露にぬれつつ〉
そんなゆかりもあり、毎年お正月には「かるた祭り・かるた開きの儀」といった伝統的儀式が厳かに執り行われます。
その他にも、競技かるたの日本一を決める「競技かるた名人位・クイーン位決定戦」や「全国高等学校かるた選手権大会」など競技かるたのビックイベントが開催される場所なのです。時代を超えて、天智天皇はじめ歌人の想いが受け継がれている場所といえるでしょう。
――「競技かるた」の存在とともに、日本古来の文化「和歌」もさらに注目を集めることでしょう。美しい日本語を学ぶのにもよいきっかけとなるかもしれませんね。