
強い台風13号(カジキ)は、南シナ海からベトナム方面へ進み日本への直接的な影響はありません。ただ、フィリピン付近には新たに台風のたまごが発生する予想。その他、マリアナ諸島(グアム島近海)にも雲がまとまりつつあります。日本近海の海面水温は沖縄~西日本の太平洋側で30℃以上と平年より高いため、日本近海で発達するおそれも。9月にかけて台風シーズンが続くため、今後も動向に注意が必要です。
●台風13号はベトナム方面へ
南シナ海の台風13号(カジキ)は、今日24日午前6時に「強い」勢力となりました。日本付近を覆っている太平洋高気圧が強いため、今後も北上は出来ず西進。風速25m/s以上の暴風域を伴い、明日25日にはベトナムを直撃し、26日にはラオス付近で熱帯低気圧に変わる見込みです。日本への影響はありません。
●新たに台風のたまごが続々と発生か
台風13号以外にも、フィリピン付近~マリアナ諸島(グアム島近海)には、積乱雲が発達しています。気象庁は25日21時の予想天気図で、フィリピン付近に熱帯低気圧、マリアナ諸島付近に低圧部を予想しています。
「低圧部」とは、低気圧性循環はみられるもののその中心付近がはっきりしない熱帯擾乱のことです。中心付近が認められると「熱帯低気圧」となり、中心付近の最大風速が17.2m/s以上となると「台風」となります。
台風まで発達するかまだ分かりませんが、台風は一年間に25個くらい発生し、平年値は9月は5.0個と、8月5.7個に次いで多くなっているため、日頃から備えを万全にしておきましょう。
●沖縄~西日本で海面水温30℃以上
今年は梅雨明けが早く、猛暑が続いたことから海面水温が高くなっています。7月の海面水温は、解析値のある1982年以降で、日本海北部、日本海南部、北海道南東方、本州東方では1位、東シナ海北部では1994年と並んで1位タイとなりました(速報値)。
現在も沖縄~西日本の太平洋側にかけて、海面水温は30℃以上と高くなっています。
先日、台風12号は、8月21日午前9時に鹿児島県薩摩川内市の西の海上で発生し、8時間後の21日17時に鹿児島県日置市付近に上陸しました。
今年のように、日本近海の海面水温が高いと、熱帯低気圧で北上してきて陸地に近い所で台風に発達することがあるため、特に注意が必要となります。
また、例年9月に入ると強い勢力を保ったまま日本列島を襲来する台風が多くなります。気象庁は、特に大きな災害を伴った台風には洞爺丸台風や伊勢湾台風など名前をつけています。これまでに名前がついた台風は10個ありますが、内9個が9月に襲来しています。本格的な台風シーズン突入です。日頃からハザードマップの確認や、側溝の掃除など、備えは万全にしておきましょう。