
昨日10日(月)は関東甲信地方と北陸地方が梅雨入りし、東北地方と梅雨のない北海道、梅雨明けした沖縄地方以外は、本格的な雨の季節に突入しました。今年はシトシトと弱い雨が降り続く梅雨ではなく、ザーッと激しい雨が降り、梅雨の晴れ間は急激に気温が上がる「メリハリ型(陽性)」の梅雨になりそうです。
●梅雨には「陽性」と「陰性」2つのタイプがある
梅雨には「陽性型」と「陰性型」2つのタイプがあります。年によってさまざまな梅雨の性格があり、前線の動きや位置によって、雨が降らない「空梅雨」になることもあります。
「陽性型の梅雨」は、雨が降る時は短時間に激しい雨が降ったと思ったら、晴れる日は気温が急激に上がり体に堪える暑さになる、いわばスコールのような雨が繰り返し起こるものです。一方、「陰性型の梅雨」は、前線の北側でシトシトと弱い雨が長期間降り続くものです。
今年の梅雨の傾向は、ザーッと激しい雨が降り、梅雨の晴れ間は厳しい暑さになる「メリハリ型(陽性)」の梅雨になる見込みです。
以前は、梅雨の前半は「陰性型の梅雨」が現れやすく、後半になると前線が北上し、集中豪雨などが発生する「陽性型の梅雨」が現れやすいとされていました。ただ、近年は温暖化の影響もあり、梅雨入り早々に大雨になることがあります。今年も梅雨入り早々、大雨になっています。そして、大雨のあとは、猛暑に警戒が必要です。
●13日(金)~15日(日)は再び大雨のおそれ
明日12日(木)は梅雨前線が南下し、本州付近は高気圧に覆われるでしょう。九州と四国は雨が降りやすくなりますが、四国や近畿から北海道は、おおむね晴れる見込みです。
ただ、今日11日(水)午前9時に発生した台風1号や、新たに沖縄の南に発生する熱帯低気圧周辺から湿った空気が流れ込むことで、今週末は再び梅雨前線が活発になるでしょう。13日(金)~15日(日)頃にかけて、西日本を中心に⼤⾬になるおそれがあります。再び短時間にザッと激しい雨が降ることもありますので、今後の情報にご注意ください。
●16日(月)以降は晴れて猛暑日の所も 寝苦しい夜も増える
16日(月)以降は晴れる所が多く、東北から近畿は厳しい暑さになるでしょう。広く30℃以上の真夏日になり、甲府など内陸部を中心に35℃以上の猛暑日になる所もあるでしょう。大雨のあとは猛暑に警戒してください。梅雨時期は湿度が高いため、かいた汗が蒸発しにくく、体に熱がこもりやすくなります。また、西日本を中心に熱帯夜(最低気温が25℃以上)になる所もあるでしょう。寝苦しい夜が増えてきそうです。昼夜問わず熱中症に警戒してください。
●九州~北海道に「高温に関する早期天候情報」
9日(月)に気象庁が発表した早期天候情報によると、15日(日)頃から、九州~北海道は「かなりの高温」が予想されています。連日のように30℃以上の真夏日となり、梅雨の晴れ間は35℃以上の猛暑日になる所があるでしょう。内陸部では40℃近くまで上がる所もありそうです。急に体にこたえる暑さとなりますので、体調管理には十分にお気をつけください。
●熱中症の応急処置
熱中症は、できるだけ予防したいものですが、万が一、症状が疑われる場合は、次のような応急処置が必要です。
まずは、涼しい場所へ移動しましょう。冷房の効いた部屋や、屋外では風通しのよい日陰で、できるだけ早く、体を冷やしてください。
衣服を緩めて、体から熱を逃がしましょう。体温を下げるためには、冷やした水のペットボトル、氷枕などを使って、両側の首筋や、わきの下、足の付け根を冷やすと効果的に体温を下げることができます。
水分と塩分を補給しましょう。冷たい水を自分で持って飲んでもらうと、体にこもった熱を奪うだけでなく水分補給もできます。また、経口補水液やスポーツドリンクを飲めば、汗で失われた塩分も適切に補えます。
ただ、吐き気を訴えたり意識がなかったりするなど、自分で水分を摂ることができない場合は、口から水分を補給するのは禁物です。すぐに病院へ運んでください。