東北は22日秋分の日にかけて秋雨前線に伴う大雨の恐れがあります。7月に梅雨の大雨の被害があった山形県や秋田県付近で雨量が多くなるでしょう。22日夜までの72時間降水量は、秋田内で過去の記録を上回る恐れがあり、土砂災害や川の増水などに警戒が必要です。
●22日 秋分の日にかけて秋雨前線が停滞
東北地方は22日(日・秋分の日)にかけて、停滞する秋雨前線の影響で、約3日間にわたり雨が降り続くでしょう。
沖縄を通過した台風14号周辺の湿った空気や、秋雨前線上にできる小さな低気圧の影響もあって、断続的に雨が強まり、総雨量が多くなる見込みです。
23 日(月・振替休日)には天気が回復へ向かい、3連休には暑さが収まりそうです。
●秋田~山形 梅雨の大雨被災地で再びの大雨に警戒
こちらの図は、22日(日・秋分の日)午後6時までの72時間に予想される雨の量です。
秋田県南部から山形県を中心とした地域で黄色の200ミリ以上が予想されます。山沿いではオレンジ色の300ミリ以上が予想され、今年7月に梅雨の大雨に見舞われた地域で、再び雨量が多くなる恐れがあります。
●秋田南部を中心に過去の大雨を上回る可能性 土砂災害など厳重警戒
こちらは、対象期間内に予想される72時間降水量の最大値と、その降水量がそれぞれの場所において過去最大の降水量と比較して何割に達するのか、ということを示しています。(過去最大の降水量は2006年5月~2023年12月と比較)
これが100%前後に達すると、甚大な被害の発生する可能性が高まり、150%を超えると犠牲者の発生数が急増する可能性があるという研究結果があります。
秋田県南部周辺では、過去最大雨量の120~150%もの雨が降ると予想されている地域があります。
今年7月の大雨は1時間に100ミリを超えるような記録的な短時間の大雨が何度もありました。
一方、今回は3日間にわたって長雨が続くなかで、断続的に雨が強まる予想で、7月の雨の降り方とは異なる見通しです。
前線の位置によっても雨の降り方は変わるため、7月と同じ場所で同じ災害が起こるわけではありませんが、土砂災害や川の増水など甚大な災害が発生する可能性はゼロではありません。
この先も最新の情報を常に確認し、自らの判断で命を守る行動に徹するようこころがけてください。
●大雨への備え
大雨が予想される場合、災害による被害を少しでも小さくしたいものです。そのために、あらかじめ備えておいていただきたいことは、次の3つです。
① 避難場所や避難経路の確認をしておきましょう。いざ大雨による災害が発生すると、避難経路が通れなかったり、避難場所に行けなくなったりすることもあります。複数の避難場所や避難経路を確認しておくことが大切です。また、川や斜面の近くは通らないようにするなど、浸水や土砂災害の危険性が高い場所を避難経路に選ぶのは、避けてください。確認した避難場所や避難経路の情報は、家族で共有しておきましょう。
② 非常用品の準備をしておきましょう。非常用の持ち出し品は、リュックなど両手が使えるものに入れて、すぐに持ち出せる所においてください。避難時に履く靴は、スニーカーなど、底が厚く、歩きやすい靴を用意するのが安全です。また、水道や電気など、ライフラインが止まった時に備えて、水や食料も用意してください。
③ 側溝などの掃除をして、水はけを良くしておきましょう。砂利や落ち葉、ゴミなどが詰まっていないかも、確認しておいてください。
いずれも、大雨になる前に、なるべく早い段階で備えるよう、心がけてください。