台風5号は12日には新潟県にも最接近する見込みです。下越を中心に局地的な激しい雨や雷雨、土砂災害に十分注意・警戒して下さい。この台風は日本海に抜けても、台風一過の青空にはならないでしょう。上空の風が弱いために動きが遅く、日本海の海面水温が高いため、熱帯低気圧(台風)の構造を維持しながら、北陸地方に暖湿気の供給を続けそうです。Uターンして再び大雨をもたらす可能性もあり、引き続き動向に十分注意して下さい。
台風第5号は、11日15時現在、石巻市の東南東約240kmにあって、北西へ毎時10kmで進んでいます。中心気圧は980hPa、中心付近の最大風速は25m/sです。この台風は、12日3時には石巻市の東約110kmに達し、12日15時には能代市付近に達するでしょう。台風はこの後、熱帯低気圧に変わり、13日15時には日本海に抜けてほとんど停滞する見込みです。
台風は熱帯低気圧に変わると、その時点で進路予想は終了となります。ただ、実際には風が弱まるだけで、強い暖湿気を伴っていることに変わりはなく、引き続き大雨リスクは続きます。引き続き動向には注意して下さい。
●目先の新潟県の予想降水量
新潟県では12日朝から夜のはじめ頃にかけて下越を中心に雷を伴った激しい雨が降り、大雨となる所がある見込みです。夜遅くにかけて土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水に注意・警戒してください。
●日本海の高い海面水温 熱帯低気圧の構造を維持か
図の左は直近の8月10日の日本海の海面水温、右は海面水温の平年差を示しています。北緯40度以南では概ね27度以上で平年より2度～4度も高くなっています。
一般的に、台風は海面水温が26～27度の海域で発生するといわれています。このため、日本海に抜けた後の台風の位置にもよりますが、台風5号が停滞傾向になると、更に発達はしないまでも、熱帯低気圧の構造を維持して、13日以降も北陸地方に暖湿気を供給し続ける可能性も出てきます。
●台風5号 Uターンして再び強雨も 予測には幅があることに留意
図は、東北地方まで含む北陸以北の降水量や風の予測を示したものです。台風5号(熱帯低気圧)は、日本海に抜けた後、熱帯低気圧の構造を維持したまま停滞、14日頃には再び日本海側の沿岸部に近づく可能性があります。北陸地方の沿岸部に直接近づくことが無くても、台風周辺からの暖湿気や台風に吹き込む暖湿気の影響で、連日大気の状態が不安定となるでしょう。山や川など屋外レジャーを中心に天気の急変には十分注意して下さい。
●引き続きお盆休み中の新たな熱帯擾乱の発生・接近に注意
日本の南の海上では、引き続き、新たな熱帯擾乱が発生しやすい状況が続いています。この後お盆休み中に、後続の熱帯擾乱が発生、本州付近に接近・上陸する可能性もあります。
図は、日本の予測モデル(GSM)の16日(金)の降水量や風の予想を示したものです。まだ、日数があり、海外モデルは他の地方に近づく予想をしているものもありますが、常に、最新の台風情報や天気予報、道路情報を確認しながら柔軟な行動計画をたてるようにして下さい。
