気象庁はきょう12日、この先の1か月予報を発表。季節は前進するものの、全国的に気温は平年より高めの状態が続く見込み。西日本と東日本の太平洋側は晴れる日が多く、秋の行楽を楽しめる日が多くなりそう。ただ、北日本は日本海側で雨量が多く、10年に一度程度の高温も。
●数値予報モデルによる予測結果
気象庁はきょう12日、この先の1か月予報を発表しました。
1か月平均の地上気圧(左図)は、沿海州付近で平年より低く、北日本日本海側は低気圧の影響を受けやすいでしょう。一方、大陸の高気圧が東シナ海から本州付近に張り出し、西日本を中心に高気圧に覆われやすい見込みです。
また、上空約1500mの気温(右図)は、北日本を中心に平年より高い所が多いですが、東・西日本から沖縄・奄美付近は平年からの隔たりが小さくなっています。また、全国的に日本近海の高い海面水温の影響を受ける見込みです。
このことから、北日本の日本海側は平年に比べて降水量が多く、北日本の太平洋側や北陸の降水量は平年並みでしょう。強い寒気が流れ込んだ場合は、まとまった雪が降ることもありますので、情報にご注意ください。
また、東日本の太平洋側、西日本、沖縄・奄美は天気は数日の周期で変わりますが、平年に比べて晴れる日が多くなる見込みです。秋の行楽を楽しめる陽気になる日が比較的多くなるでしょう。
●気温は平年より高めで推移 季節ゆっくり前進 特に北日本で高温傾向
ようやく季節が前進して、この時期らしい気温になってきたところですが、この先1か月の気温は、全国的に平年より高めで推移しそうです。
全国的に、10月中旬頃は比較的、過ごしやすく感じられる日が多くなる見込みです。
ただ、10月下旬頃は、沖縄・奄美や西日本の気温は平年並みで、急に肌寒く感じられる日もあるでしょう。寒暖差が大きくなりますので、日々の服装選びにご注意ください。
その後、10月末から11月上旬頃は全国的に気温が平年よりも高く、11月とは思えないような暖かさになる日もありそうです。11月に突入しても、秋の深まりはゆっくりとなるでしょう。
●北海道と東北に高温に関する早期天候情報が発表
気象庁はきょう12日、北海道と東北を対象に「高温に関する早期天候情報」を発表しました。
これは、10年に1度程度しか起きないような著しい高温となる可能性が、いつもより高まっているときに発表される情報です。
北海道と東北で最近1週間程度の気温は、平年並みの日が多く、平年より低い日もありました。
向こう2週間の気温は、暖かい空気が流れ込みやすいため平年より高い日が多く、かなり高くなる日もあるでしょう。
いったん気温が下がりようやく秋めいてきた頃ですが、再び気温が上がりやすくなり、気温の変化が大きくなるでしょう。
農作物の管理には注意が必要です。また、寒暖差で体調を崩さないように十分ご注意ください。
※高温に関する早期天候情報は、その時期としては10年に1度程度しか起きないような著しい高温となる可能性が、いつもより高まっているときに、6日前までに注意を呼びかける情報です。6日先から14日先までの期間で、5日間平均気温が「かなり高い」確率が30%以上と見込まれる場合に発表されます。
【北日本】北海道・東北地方
【東日本】関東甲信・北陸・東海地方
【西日本】近畿・中国・四国・九州北部地方・九州南部
【沖縄・奄美】鹿児島県奄美地方・沖縄地方