
<ヤクルト2-2阪神>◇23日◇神宮
ダメ押し点を期待した東都の虎党から、大きなため息が漏れた。1点リードの8回1死満塁。ここで打てば勝利は確実という場面で、佐藤輝明内野手(26)のバットは空を切った、カウント2-2から、ヤクルト木沢の高めシュートに中途半端なスイング。4打席連続三振を喫した。5打数無安打、6月17日のロッテ戦以来、今季2度目の1試合4三振で試合を終えた。
それでも虎の主砲は前を向いた。「まあ、今日はね。ダメだったので。また明日から頑張ります」。これで三振は133となり、30試合を残して昨季に並んだ。新人の21年に記録した自己ワーストの173三振もちらつくが、藤川監督は大きな視野で受け止めた。
「打った時でも、打ってなくても、それがチームですから。チームで戦ってるので。あんまり個人のことは思わないというか、考える要素ではないかな。チームで動いてますから」
ただ、セ界のキングが調子を落としていることは事実。特に直近2カード7試合は28打数2安打。今月10日のヤクルト戦(京セラドーム大阪)で31号を放って以降の9試合は、適時打も本塁打も止まったままだ。同点の延長12回2死一、二塁は3番森下の右邪飛に倒れ、ネクストサークルの背番号8は悔しさを隠さなかった。1日も早く、復活を告げる豪快な打ち上げ花火が見たい。【伊東大介】