
<日本ハム8-3ソフトバンク>◇23日◇エスコンフィールド
日本ハム清宮幸太郎内野手(26)が、天王山のキーマンになった。逆転勝ちにつながる反撃打を放った22日の初戦に続き、第2戦は2点差に詰め寄られた4回2死一、三塁で貴重な中前適時打。6回にも左前適時打で、3安打2打点と気を吐いた。貯金は今季最多「25」となり、首位ソフトバンクとのゲーム差は1・5。24日の第3戦も、清宮幸のバットに期待がかかる。
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大事な場面で清宮幸が、けん引役としてのミッションを果たした。2点差に詰め寄られた4回2死一、三塁。3ボールから4球目、有原のチェンジアップをきれいに中前にはじき返した。「点を入れられた後、自分たちがチャンスをつくって(相手に)切り抜けられたら流れが傾きそうだった。積極的にいけてよかったです」。6回にも外角低めのツーシームを、逆らわず丁寧に左前へ運び2打点。貴重な適時打2本で、昨季王者を突き放した。
対有原は今季、試合前時点で10打数2安打と抑え込まれていた。だが「確かに今季は抑えられていますけど、通算で見たら打ってるので」。初めて対戦した昨季は7打数4安打(1本塁打)、打率5割7分1厘。いいイメージだけを考え「うまく球種を絞れた。ボール先行の中、甘い球をしっかり捉えられたのは良かった」と手応えを口にした。
チームでは唯一、シーズン規定打席に到達している。新庄監督は今季、「(清宮幸が)打たないと優勝はないよ」と言い続け、自覚を持たせてきた。7月は打率3割1厘と、夏に期待を抱かせたが、8月は2割3分8厘と波に乗りきれていない。それでも清宮幸は「こういう時期。打たないと負ける。気合入ってます」と自らを奮い立たせ、首位ソフトバンクとの天王山で再び快音を響かせ始めた。
プロ入り8年目で初めて経験する優勝争い。この日は22歳福島、19歳柴田への援護に、「投げやすい環境をつくってあげたいと、いつも思っているので。打てて良かったです」と“お兄ちゃん発言”も似合うようになってきた。首位へ1・5差に迫り「明日も勝ちます」。自らのバットでソフトバンクを追い詰めていく。【永野高輔】