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【東京V】特別指定選手の日大FW平尾勇人「心の中にいる」大切な弟と“二人三脚”で戦う


東京Vで特別指定選手としてプレーする日大のFW平尾勇人

人生のバトンを渡されたように感じた-。東京ヴェルディに特別指定選手として加入した日大3年のFW平尾勇人(はやと、20)は大切な弟とともに戦っている。

8月1日に27年からの入団内定が発表されたばかりだが、9日の横浜戦(1-0)で後半45分からデビューした。続く16日の京都戦(0-1)でも後半18分から出場。相手の背後を突こうと果敢にプレーした。

背番号「71」。大きな数字には特別な意味が込められている。3歳下の弟の誕生日が7月10日。その弟は2016年1月6日、くしくも平尾が11歳の誕生日を迎えた日の朝、家族に見守られながら8歳で亡くなった。3歳で急性リンパ性白血病を患い5年に及ぶ闘病の末に。そこから“二人三脚”で人生を走り続ける。

「心の中には弟がいる。だから試合の前には必ず胸をたたいてピッチに出る。一緒に戦うよ、って」

“負けるな”と、弟の声が背中を押す。「泥臭く走る。つらい経験をしているので最後まであきらめないのがプレースタイル」。それこそ、この世に生きる自分に課された“命のバトン”だと受けとめている。

日大サッカー部公式ブログに昨年6月、弟のことを記した。「原動力」と題し、こうつづっている。

「当たり前に学校に行き、サッカーをして、家に帰る、この生活が弟にとっては当たり前ではなかった。むしろ憧れだった」。そして「人生のバトンを渡されたように感じた」。

三重・四日市中央工時代はエースの「17」を背負った。引っ繰り返せば「71」。日大でも同じ17を背負いエースへと成長し、運命に導かれるようにプロ入り。7月9日から3日間の日程で東京Vの練習に参加した。「初日を終えて2日目が7月10日で、もっとやってやろうと気持ちが上がった。そこから一気に人生が変わった。それまで他のチームにも参加したけどうまくいかない中、弟が後押ししてくれたんだと思う」。翌11日の早大とのトレーニングマッチで強度の高い攻守を披露。それがヴェルディのスタイルに合致した。

プロ初戦となった横浜戦へ向かうバスの中、ふと胸に込み上げてくるものがあった。「ここまで来たよ」。弟にそう伝えた。チームはJ1残留に向けて厳しい戦いを強いられている。だからこそ、平尾の存在がより大きなものになってくるかもしれない。

71番は胸をたたいて空を見上げる。「さぁ、いくぞ!」。夢のピッチへ今日も弟と駆けだしていく。【佐藤隆志】

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