
<日本ハム6-5オリックス>◇19日◇エスコンF
日本ハム新庄剛志監督(53)が劇的なサヨナラ勝ちで、優勝争いに望みをつないだ。9回2死満塁で野村佑希内野手(25)が右中間へ走者一掃のサヨナラ二塁打。新庄監督は「選手が勝ちたいっていう気持ちがものすごく強い。僕たちどうこうって問題じゃない」と激賞した。ルーフオープンゲーム5連勝で貯金は今季最多タイの「23」。首位ソフトバンクとのゲーム差は3のまま、踏みとどまった。
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土俵際から、猛牛をうっちゃった。新庄監督は「いや、もう必死でしょ、選手が。勝ちたいっていう気持ちがものすごく強い。僕たちがどうこうっていう問題ではないですね」。2点を追う9回1死一、二塁、現在本塁打トップの主砲レイエスが空振り三振に倒れるも、続く5番郡司が守護神マチャド相手に、粘って9球目を辛うじてバットに当てた打球が三塁内野安打。2死満塁とし、6番野村の劇打へとつながった。
中盤、完全に流れを奪われた。5回1死、それまで完全投球をしていた先発達が、中川にソロを浴びたところから崩れ、1死満塁で宗にグランドスラムを許し、逆転された。カーブを捉えられ、指揮官は「114球投げてたら、ああいうボールもありますよ。カーブで最初の1、2、3、4回まではね、カウントも取れてたし。合格点ですよ」。1球の失投よりも、その後しっかり立て直し、7回114球を投げ切ったことをたたえた。
当然、ちくりと言うところは言う。2点を追う7回先頭の清宮幸が四球で出塁も、けん制死。「ファーストの子(清宮幸)の、あのけん制アウトびっくりした。マジ、代えようかなと思った。でもミスしたから、打ってくれるんだろうなと」。指揮官の読みは的中し、清宮幸は9回1死で汚名返上の右前打を放ち、サヨナラ劇への扉を開いた。
投手陣が打たれても、優勝への大航海を続ける海賊打線が、何とかしてくれる。新庄監督は「この時期は打線がカバーしてくれると思ってたので。前半は投手陣がしっかりやってくれて、その逆になると、ずっと思ってたんで。もう1回。これが両方良くなれば完璧」。苦しみながら磨いてきた両輪がフル稼働した先に、9年ぶりの歓喜が待っている。【永野高輔】