
<日本ハム3-2ロッテ>◇13日◇エスコンフィールド
日本ハム水谷瞬外野手(24)が、執念のサヨナラ打で、チームの連敗を4で止めた。同点の9回1死満塁、ロッテ2番手高野脩から劇的な左前打。チーム6度目のサヨナラ勝ちに「人生初サヨナラ打なので、めちゃくちゃ気持ちいいですね。テンションあがり過ぎて一塁ベース回ったときにかんでいたガムが口から出てしまって。しっかり回収させていただきました」。喜びが口からあふれ出た。
予感は的中した。「逆算していったら1アウト満塁で回ってくるとは考えていたんですけど、まさか本当に1アウト満塁で来るとは思わなかったので、野球って怖いなと思いました」。自身の強い念も効いた。9回1死一、三塁で自身の前に代打マルティネスが三塁へ強烈なゴロ(記録は三失)を放つも、三塁走者は生還できず。水谷は「グワチョ(マルティネス)打つなよって思ってました」。しっかりチャンスをものにした。
5回の守備では、微妙なプレーもあった。同点の5回1死三塁、西川の右翼フェンスギリギリの飛球をキャッチも、これが犠飛となり、勝ち越された。だが新庄監督は「あれは5回だったので捕って良い。西川くん、いいバッターなんで。(ピンチを)広げるより、あそこのファウルフライを捕って、あそこを1点で抑えたっていうのは、この勝利につながりましたね」とたたえた。
敗れれば首位ソフトバンクのゲーム差が5に広がるところだったが、踏みとどまった。指揮官は「(チームが)ちょっと嫌な流れで来ていた1週間だったんで、その流れを全部水谷くんが切り替えてくれたというか、勢いを付けてくれましたね」。この日は水谷をパイナップルに見たてた“パイナップルTシャツ”の店頭販売が始まり、いきなり完売。オンライン販売も受け付けており、まだまだ打ちまくり、グッズ販売もチームの成績も、上向かせていく。【永野高輔】