
今秋のプロ野球ドラフト会議で、米スタンフォード大の佐々木麟太郎内野手(20=花巻東)が指名対象となることが19日、関係者への取材で分かった。日本野球機構(NPB)が米大リーグ機構(MLB)に米大学に在学している選手のドラフト指名などについて確認を取り、今年の指名に問題がないことを12球団に通知した。
佐々木は昨年、国内進学やプロ入りを選ばずに大学進学のために渡米。今年4月には、巨人、西武などNPB3球団の幹部が「極秘視察」に訪れていた。同20日(日本時間同21日)のノートルダム大戦では、16試合ぶりとなる5号2ランを右翼席へ運び、7回にも適時二塁打を放つなど2安打3打点の活躍を見せた。視察した巨人水野編成本部長代理スカウト担当も「低めの変化球を軽々と運んだ。さすがの飛距離」と絶賛していた。
今年5月に1年目のシーズンが終了し、52試合で打率2割6分9厘、7本塁打、41打点をマークした。入学前に「今の段階ではメジャーリーグと日本のプロ野球、両方から指名していただくチャンスはあると思う」とプロ入りへの思いを語っていた高校通算140本塁打を誇る大砲は、日米双方から注目を集める存在となっている。
◆メジャーリーグのドラフト MLBのドラフト会議は毎年7月ごろに開催され、米国またはカナダ、プエルトリコなどの居住者が対象。4年制大学では2年生を修了、または21歳になった時点で指名対象となる。4月生まれの佐々木麟は26年ドラフトで対象になる。NPB球団に入団する場合はドラフト会議での指名が必要で、23年10月の規約改定により、海外の学校に在学中の選手は会議翌年の7月末日まで交渉期間が延ばされた。これにより、NPBドラフトで指名されても、MLBドラフト後に進路を決定できる。
◆佐々木麟太郎 ささき・りんたろう。2005年(平17)4月18日生まれ、岩手県北上市出身。花巻東では1年春からベンチ入りし、2年春、3年夏に甲子園出場。高校通算140本塁打。24年スタンフォード大に進学。184センチ、113キロ。右投げ左打ち