
<巨人1-3阪神>◇17日◇東京ドーム
阪神石井大智投手(28)がプロ野球新記録となる40試合連続無失点を樹立した。2点リードの8回を1安打無失点。2021年に西武平良海馬投手がマークした記録を塗り替えた。6月には頭部への打球直撃で戦線離脱も経験した中、変わらない快投を重ねてきた。チームは優勝マジックが22に減少。今季最多貯金25となり、2位巨人とのゲーム差は今季最大「13」に拡大した。
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20年ドラフトは支配下最後の全体74番目。石井は「ドラ8」から記録を作った。四国IL高知時代から、直球とシンカーは一級品で球団は高評価。育成指名を検討する球団もあり、スカウト会議で「育成ではとれない」と声が上がり、支配下指名の決断が下された。絶対に戦力になるとの思いの表れだ。
石井も地道な努力で応える。今年1月も鳴尾浜で自主トレ。場所を変える選手も多いが、費用のかからない球団施設を選ぶ。手がかじかむ寒さの中で、黙々と特訓する姿は、ストイックな性格を象徴していた。
一方で変化もあった。毎年、年末は前川、西純らと担当の山本スカウトを囲む食事会が恒例。これまではただ会話を楽しんだが、昨年から森木ら後輩にアドバイスを送るようになった。支配下最下位指名から駆け上がった姿は、他の選手にとっても大きな目標になる。【阪神担当=塚本光】
▼石井が4月5日巨人戦から40試合連続無失点。21年平良(西武)の39試合を抜いて連続試合無失点のプロ野球新記録となった。メジャー記録は18~19年プレスリー(アストロズ)、21~22年ヘイダー(ブルワーズ)の40試合。メジャーの連続無失点はシーズンをまたいだ記録も採用しており、2人とも2シーズンでマーク。石井はメジャー記録にも並んだが、1シーズンで40試合は日米通じて初めてだ。石井の無失点イニングは39。次は、藤川監督が06年につくった連続イニング無失点の球団記録の47回2/3が目標となる。