
<ジャイアンツカップ第19回全日本中学野球選手権大会>◇13日◇東京・大田スタジアム、ジャイアンツタウンスタジアム◇準々決勝
4強が決定した。世田谷西リトルシニアが北摂リトルシニアに一時3点リードを許しながら、逆転して準決勝に進出した。
中野リトルシニアは序盤に奪った4点を出川新大、小渕優太が完封リレーで逃げ切った。敗れたフレッシュ福岡ウイングスは3番手で登板した女子投手の尾崎琉夏が5回5安打1失点の力投だった。
創部2年目の2年生軍団・多摩川ボーイズは2-1で迎えた7回表に15得点の猛攻撃で愛知尾州ボーイズに大勝した。
旭川大雪ボーイズは2回裏に市川大心の本塁打で先制。3回表に兵庫伊丹ヤングの土谷直之に同点弾を浴びたが、7回裏に荻子理人のサヨナラ弾で決着した。15日は休養日で、準決勝は16日に大田スタジアムで行われる。
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▽準々決勝
世田谷西リトルシニア(東京)7-4北摂リトルシニア(大阪)
多摩川ボーイズ(東京)17-1愛知尾州ボーイズ(愛知)
中野リトルシニア(長野)4-0フレッシュ福岡ウイングス(福岡)
兵庫伊丹ヤング(兵庫)1-2旭川大雪ボーイズ(北海道)
◇ ◇ ◇
世田谷西が危なかった。北摂は今月1日にリトルシニア日本選手権1回戦で7-0で破っていた。2回表には先制点を奪った。しかし、3回裏には同点とされ、先頭打者にヒットを許し、犠打で送られ、死球で一、二塁とされたところで、松谷陽生に三塁打を浴びるなど、1-4とされた。
4回表も2死走者無し。ただし、ここで目が覚めた。内栫陽向が中前打、元木瑛介が死球、川本琉生と原真徳が連続適時打で1点差とした。続く6番浅田宋次郎は右中間を大きく破る三塁打で逆転した。
6回表にもDHの増渕晴海の三塁打をきっかけに2点を追加した。
4回裏途中から救援した徳久陽人が無失点に抑えて逃げ切った。
試合後の吉田昌弘監督は「4回までは北摂のベストゲーム。うちが負けるとしたらこの形、北摂が勝つとしたらこの形というのに、はめられました」と振り返った。
それでも「劣勢になっても、どうすればいいのか? ということにずっと取り組んできて、それを実行してくれた。この試合をひっくり返せたのは、よくやってくれた」と評価した。
逆転打の浅田は先週の日本選手権の打撃内容が低調で、春から打ち続けた4番から、今大会は6番に下がっていた。
日本選手権後に吉田監督の指導で、どっしりとした構えに修正してきっかけをつかんだ。ところが直前の打席はなでるような当たりの上、苦笑いでベンチにかえったところ、吉田監督に注意された。
逆転打で名誉を挽回すると「久しぶりの当たりでした。思い切ったスイングができました」とほっとした様子だった。
好投の徳久は8日前の日本選手権決勝でもロングリリーフに成功。好調が続くのは夏前に覚えた球種で投球の幅を広げたそうで「打撃練習を減らしても、ブルペンで練習したのがよかった。大事な場面で使ってくれて意気に感じます」と笑っていた。
リベンジに燃えていた北摂ナインは試合後、涙をぬぐい世田谷西ナインの元を訪れ「絶対、優勝してくれ」とエールを送った。
先発して5回途中まで力投した水越統也は「選手権でボコボコにされたけど、今日は緩急とコントロールに気をつけた。チェンジアップを決め球にしか使っていなかったのをカウントをとるのも使ったのが、効果的だったと思います」と話していた。
【16日の準決勝組み合わせ=大田スタジアム】
多摩川ボーイズ9:00旭川大雪ボーイズ
世田谷西リトルシニア11:30中野リトルシニア