
<日本ハム3-2ロッテ>◇13日◇エスコンフィールド
日本ハムのフランミル・レイエス外野手(30)が起死回生の一発でチームを救った。
1点を追う8回2死。ロッテ種市から左中間へ同点22号ソロを放って、今季6度目のサヨナラ勝利につなげた。新庄剛志監督(53)も感謝した、主砲のどでかいアーチでチームも今季ワーストの連敗を4でストップ。貯金も再び「20」に戻し、首位ソフトバンクに食らい付く勢いを取り戻した。
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極限まで集中力を高めたレイエスは、確信歩きした。1点を追う8回2死、フルカウント。全球スプリット勝負を挑んできたロッテ種市の7球目だった。真ん中付近の失投を逃さず、左中間スタンドへ飛び込む同点22号ソロ。場内も騒然。打球が着弾するのを見て、ゆっくりと走り出した主砲は雄たけびを上げまくった。いつものゴリラパフォーマンスもない。それだけゾーンに入っていた。
試合後は笑顔で「アリガトウゴザイマス!」とだけ言って、さっそうと球場を後にした。気分爽快。愛称「モーレ」の超優良助っ人のうれしさいっぱいの気持ちは、新庄監督が感謝を込めて代弁してくれた。
新庄監督 やっぱモーレがね。レイエスのあの1本は本当に大きかったです。今、本人も納得いかない打席が多い中、あの1本で今後、去年のような後半の活躍が目に浮かぶ。期待したいですね。
3日オリックス戦で21号2ランを放って以降の6試合は18打数2安打0打点。9三振を喫した内の4三振は見逃しだった。うまくいかないイライラが出てしまう場面もあったが、この日は6回に追い込まれてから冷静にボール球を選んで四球で出塁。そして、8回に劇的同点アーチが生まれた。再び波に乗っていきそうな打席を重ねたことが、帰り際のスマイルに表れた。
レイエスが前カードの首位攻防で3タテを食らい、しかも今季ワーストの4連敗中だったチームの嫌な雰囲気を一掃。9回のサヨナラ劇を誘発した。
新庄監督 ここで(連敗が)切れたのは、成長しか感じない。もしかして今日5連敗してたら6、7ってあったかなっていうところ。重~い雰囲気になってしまうからね。いや、よく勝ちましたよ。これで勢い出して、明日も行きます。
首位ソフトバンクはこの日も勝った。4差は変わらないが、主砲の目の覚めるよう1発でチームはよみがえった。さあここからは前を向いて勝っていくだけだ。【木下大輔】