
<中日5-6広島>◇10日◇バンテリンドーム
広島が誇る羽月隆太郎内野手(25)と大盛穂外野手(28)、2人の足のスペシャリストが逆転を呼び込んだ。1点を追う8回無死一塁から代走に送られた羽月は、末包の左翼フェンス直撃の二塁打に三塁ベース手前でもスピードを緩めずに加速。遊撃手を経由した送球よりも早く、頭から本塁に滑り込んだ。同点の好走塁にも「僕にとっては普通の走塁です」と胸を張った。
なお無死三塁で代走に出された大盛も続いた。1死後、菊池の左翼の定位置よりやや前の飛球にスタート。「キャッチャーを見ていたらちょっと(送球が)高いのかなと思ったので頭から行きました」。三塁側にややそれた隙を突いて、低く速いヘッドスライディングで決勝のホームに滑り込んだ。
チームは1回に中村奨のプロ初先頭打者弾で先制しながら、中盤までに4点を奪われ逆転された。菊池の3ランで追いつくも、その裏には守備のミスから再び勝ち越しを許した。苦しみながらも、最後は足攻を絡めて再逆転。4位に浮上した。新井監督は「本当よく走ったと思うし、アカ(赤松三塁コーチ)もよく思い切って回した。常に準備をして、意識を高く持ってくれているというのが伝わる」と期待に応える“神走塁”に賛辞を送った。
▽広島菊地(3号3ラン含む4打点)「1、2打席目はがっつき過ぎたので、いい意味で割り切って、浮いた球だけいこうと」