
<オリックス0-9日本ハム>◇3日◇京セラドーム大阪
4番復権へのろしを上げる1発だ。「6番一塁」で出場の日本ハム野村佑希内野手(25)が、4回先頭で6月14日広島戦以来50日ぶりの8号ソロを放ち、この回一挙6得点の打線にスイッチを入れた。左脇腹痛から復帰後は下位打線での出場も多いが、開幕で務めた4番復帰へのアピール弾になった。チームは後半戦初の勝ち越しで、首位ソフトバンクにゲーム差1と食らいついている。
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あの感触が戻ってきた。野村は3点リードの4回、オリックス椋木のスライダーをジャストミート。打球は美しいアーチを描き、左翼スタンドにある広告ボードにぶつかった。50日ぶり、後半戦1号となる1発に「前の打席で差し込まれていたので、タイミングを早めに取ろうと意識していました。しっかり捉えることができてよかったです」と喜んだ。
この一打をきっかけに、スローガン「大航海」を続ける“海賊打線”が爆発。この回、6安打に犠飛も絡め、一挙6点をたたき出した。「打てたのは良かったんですけど、まだまだ打ちたいなというのもある。いいきっかけにできれば」。本塁打以外の打席は3三振と一邪飛に倒れており、さらなる爆発を思い描いた。
久しぶりのアーチは、開幕時に務めた4番復権への一歩だ。5月に左脇腹痛で離脱するまでは36試合で打率2割9分1厘、6本塁打、17打点と、勝負強い4番の役割を果たしていたが、復帰後は、1日のオリックス戦まで28試合で1本塁打8打点、打率2割1分9厘と、鳴りを潜めていた。そこで声をかけたのが新庄監督だ。2日の試合前に「ヘッドがうまく使えていないのでは」と助言。直後に後半戦初の猛打賞を記録し、この日は1発と復調。野村は「客観的に見た自分の姿を言ってもらえるのは、すごくありがたい」と感謝した。
球宴期間の24日の練習では、1人で居残り特打に臨み「しっかり打った上で、みんなに納得してもらって、その場(4番)で後半戦をしっかり戦えたら」と復権を誓っていた。、今は下位打線を打つことも多いが、ここから畳みかけ、海賊打線の4番を射止めにいく。【永野高輔】