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【高校野球】2ランの横浜・奥村頼人「カメの逆襲の夏です」“ウサギ”追い抜き甲子園へ/神奈川


横浜対東海大相模 4回表横浜1死一塁、右越え2点本塁打を放つ奥村頼(撮影・野上伸悟)

<高校野球神奈川大会:横浜11-3東海大相模>◇27日◇決勝◇横浜スタジアム

夏の甲子園に「主役」が帰ってくる。第107回全国高校野球選手権大会(8月5日開幕、甲子園)神奈川大会決勝で、春夏甲子園連覇を目指す横浜が昨夏決勝で敗れた東海大相模に勝利し、神奈川の王座を奪還。3年ぶりの21度目の夏の甲子園出場を決めた。3点先制された直後の4回、奥村頼人投手(3年)が反撃の口火となる中越え2ラン本塁打を放つと、その後も得点を重ね圧倒した。横浜は昨秋の明治神宮大会も優勝している。98年に松坂大輔氏を擁して達成した以来となる秋春夏の3季連続日本一へ、また1歩進んだ。

   ◇   ◇   ◇

春王者の見えないプレッシャーをはねのけた先に、最高の結末が待っていた。口火は4番の奥村頼が切った。3回に3点を先制されると、村田浩明監督(39)はベンチで選手たちを集めた。「1試合は長い旅。まだ始まったばかりだ」。その言葉を胸に、直後の4回1死二塁、奥村頼は冷静だった。フルカウントに追い込まれながらも狙い通り真っすぐを振り抜き、右翼スタンドへたたき込んだ。

「投手としてダメなら、打者として貢献したかった。4番の仕事ができたと思います」。準決勝での2打席連続本塁打に続く、高校通算5本目となるアーチ。どんな場面でも自分の役割を全うする。夏の横浜が掲げる全員野球を体現した。

奥村頼は入学時、村田監督の言葉を胸に成長した。「東海大相模の福田君とお前はウサギとカメだ」と、童話に例えられた。奥村頼は阪神ジュニアから彦根野洲ボーイズへ。福田はオリックスジュニアから明石ボーイズ。近畿のチームでライバルとして対戦してきた。同じ神奈川の高校に進学すると、福田は1年夏から公式戦デビュー。昨夏は甲子園で活躍する福田をテレビで見ながら、奥村頼は「僕はカメ。歩みはゆっくりでも、いつか必ずウサギを追い越すんだ」。そう自分に言い聞かせて練習に取り組んできた。

待ちに待ったライバルとの対決。6回から3番手で上がった福田に左飛、三ゴロで攻略はできなかったが、東海大相模には勝ちきった。「3年間の集大成として最後の夏、ベストを尽くして戦えた。福田がいなかったら自分も成長できなかった。感謝の気持ちしかないです」。試合後の整列ではガッチリ握手。「優勝してこいよ」と、ライバルからのエールを心に刻んだ。

福田の思いも背負った甲子園が始まる。「カメの逆襲の夏です」と笑って話した。春夏連覇へ。カメの歩みは止まらない。【保坂淑子】

◆横浜 1942年(昭17)創立の私立校。生徒数2603人(女子1385人)。野球部は46年創部で部員数71人。甲子園出場は春17度、夏21度目。主なOBは松坂大輔、涌井秀章、筒香嘉智、近藤健介ら。所在地は横浜市金沢区能見台通46の1。葛蔵造校長。

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