
<高校野球神奈川大会:横浜-東海大相模>◇27日◇横浜スタジアム
横浜-東海大相模の決勝戦は27日、午後2時に試合開始予定となっている。
全国屈指の激戦区神奈川の頂点に立つのはどちらか-。高校球界トップレベルの戦いが期待される。
両校はともに準決勝を1点差で勝ちきった。一方で敗れた立花学園、向上は、悲願の初優勝に近づいていただけに極めて悔しい「1点差」となった。両校には共通点がある。立花学園は足柄上郡松田町、向上は伊勢原市に校舎を構える。ともに、神奈川県のほぼ中央部を南北に貫く1級河川の相模川より、西側だ。
決勝進出の両校に加え桐光学園、桐蔭学園、慶応、日大藤沢など…甲子園の土を数多く踏んできた高校の大半が「相模川の東側」に校舎がある。
相模川より西(以下「県西部」)の高校で、甲子園出場校はわずか1校。98年の平塚学園(平塚市)だ。同年は記念大会で神奈川は東西2大会制。平塚学園は西神奈川大会で優勝した。もう一方の東神奈川大会は、松坂大輔投手擁する横浜が優勝し、そのまま甲子園春夏連覇を達成した。
98年以降は3度の記念大会があり、のべ120校がベスト4に進出。そのうち県西部の高校は、のべ10校しかない。2校がベスト4に残ったのは今夏が大会史上初めてのことだった。2年連続ベスト4入りも今夏の向上が初めてだ。
県東部は横浜市、川崎市、相模原市(の大半)と3つの政令指定都市があり、県西部の人口は神奈川県全体の12%少々に過ぎない。力のある中学生が県東部の強豪に進学するケースも多々ある。
その中で県西部の健闘が光る。4強入りした向上、立花学園に加え、平塚学園も準々決勝で横浜を崖っぷちまで追い詰めた。相洋(小田原市)も23年春に県準Vまで勝ち上がっている。
横浜と東海大相模のどちらが勝っても、新横浜駅から「のぞみ号」で甲子園へ向かう。ただ近年の県西勢の活躍ぶりからみれば、98年の平塚学園以来となる小田原駅から「ひかり号」での甲子園-。それが夢物語ではなくなりつつある空気感だ。【金子真仁】