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【高校野球】夏連覇へ、強さ取り戻した京都国際・西村一毅「春とは違う」心折れず10回完投/京都


京都共栄学園対京都国際 先発した京都国際・西村一毅(撮影・大西真生)

<高校野球京都大会:京都国際3-2京都共栄学園(10回タイブレーク)>◇18日◇4回戦◇わかさスタジアム京都

もう同じ轍(てつ)は踏まない! 夏の甲子園2連覇を狙う京都国際が延長10回タイブレークの激闘を制し、ノーシードから準々決勝に進出した。昨夏V左腕で今春のU18日本代表候補合宿にも参加した西村一毅(いっき)投手(3年)が今夏初登板で完投。今春の府王者・京都共栄学園を相手に143球を投げきり、13奪三振5安打2失点でサヨナラ勝利に導いた。昨秋、今春と強豪校に競り負け続けたチームが、一皮むけて頂点を突き進む。

   ◇   ◇   ◇

エース西村の心は折れていなかった。

0-0のままタイブレークに突入した延長10回表。1死二、三塁から小飛球となったスクイズが不運な適時内野安打となり、先制された。さらに犠飛で追加点を与えて0-2。それでも気持ちを切らさなかった。

「秋とか春の自分たちとは違うって言い聞かせた。同じ展開だったけど、これは自分が成長できる場だと、自然と心で感じていた」

フルカウント。空振りで13個目の三振を奪った。ほえる訳でもなく、拳を握りしめる訳でもない。打線の逆転を信じて、無表情のままベンチに戻った。

昨夏の甲子園優勝校。新チームは1年間、苦しみ続けた。昨秋の府大会4回戦では京都外大西に延長11回タイブレークの末、敗れた。今春は龍谷大平安との府大会1回戦で8回に1点を奪われ、0-1で惜敗。だが、この日は土俵際で意地の粘り腰を披露した。

西村の熱投が仲間を鼓舞したのだろう。2点を追う10回裏、尾角凌内野手(3年)がセーフティーバントを決めて無死満塁。猪股琉冴(りゅうが)捕手(3年)が右翼線へ2点適時二塁打を放ち、試合を振り出しに戻した。そして、最後は無死満塁から押し出し死球でサヨナラ勝ち。前日17日に誕生日を迎えていた小牧憲継監督(42)へ、劇的勝利をプレゼントした。

小牧監督は試合後、「また(昨秋と)一緒かと思った」と苦笑いしつつ、「西村はああいうところで気持ちが切れてしまうような子だった。だけど今日は粘り強く投げてくれた」と左腕の成長に目を細めた。

ノーシードから今春の京都王者を破っての準々決勝進出。もちろん、大目標はまだまだ先にある。「この試合はもう終わった話。気を抜くことなく、一戦必勝で頑張っていきたい」。西村は報道陣に囲まれても淡々と次戦をみすえた。苦汁をなめた秋と春を乗り越え、昨夏王者が強さを取り戻しつつある。【溝淵千夏】

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